~Sleeping Princess...~10
前回からの続きです。
「あれ。おねえちゃんはやいね」
「んー」
妹に適当な返事を返し洗面台にある鏡を、じぃっと見つめる。
今日のわたしは、いつもよりも十分ほど早く起きていた。
もちろん昨日得たことを、わたしなりに実行する為だ。
「これじゃ駄目」
後ろで髪を束ねていた、髪留めのゴムをはずす。
ポニーテールから髪が一部ピョンと飛び出しているのを見つけてしまった。
今日は大事な日なんだから、いつもより気をつけないと。
もう一度毛束をとってゴムを着けると、アメピンでまとめる。
「よし・・・・・・大丈夫」
鏡を見て最後の確認。
ここであまり時間を掛けすぎるのは良くない。
早く起きた意味がなくなってしまうし、次が一番の難関なのだから。
「それじゃあ、行ってきまーす」
わたしは身なりのチェックを終えると家を後にし、いつもの場所へ向かった。
いつもの場所、というのは優一の家のことである。
その場所へ行くのに、なぜ早く起きたかというと、心の準備をするためだった。
毎日行っているのだから、心の準備をするというのも変な話かもしれない。
一回、深く深呼吸。
二回目は浅くゆっくり息を吸う。
今日からは一歩踏み出すと決めたんだ、頑張れわたし。
覚悟を決め、ゆっくり渡瀬家のインターホンを押そうと指が触れた瞬間。
渡瀬家の扉が開く。
「あれ? 早いね」
突然、優一が出てきた。
その姿を見るなり、胸がトクンと鳴った。




