09 本番とサプライズ
テストの本番となんというか日常回です。
これまでも日常しか描いてないけど…
テスト前日の夕方。
俺は音羽の家のリビングで、教科書とノートを広げていた。
「この問題、もう一回解いてみて」
音羽が指差したのは、先週間違えた問題だった。
「えーと……この公式を使って……」
ペンを走らせ、計算を進める。
「これでよし!」
「正解。ちゃんと理解してるわね」
音羽は満足そうに頷いた。
窓の外はすっかり暗くなり、リビングの照明だけが俺たちを照らしている。
「そろそろいい時間ね。今日はここまでにしましょう」
音羽がテキストを閉じる。
「ありがとう、音羽さん。おかげで大分わかってきた気がする」
「気がする、じゃダメよ。明日のテスト、頑張ってね」
音羽は少し微笑んだ。
「ああ、任せろ!このイケメンの本気を見せてやる!」
「ふふ、楽しみにしてるわ」
♢
テスト当日。
数学のテスト用紙が配られ、俺は問題に目を通す。
この問題、見たことある。
音羽との勉強会でやった問題だ。
ペンを走らせ、解答を埋めていく。
以前なら手が止まっていた問題も、今ならすんなり解ける。
やっててよかった勉強会ってやつだな。
チャイムが鳴り、テストが終わる。
「おつかれー!」
「数学、結構できたかも!」
クラスメイトたちが口々に感想を言い合っている。
「成島、どうだった?」
二見が声をかけてくる。
「まあ、それなりにできたかな」
「お、珍しいな。ナルシー、いつもテスト終わると顔死んでるのに」
「失礼な!顔の良さ第一で生きてる人間に向かって!」
軽口を叩きながらも、胸の奥には小さな期待があった。
——今回は、いけるかもしれない。
♢
数日後、テストが返却された。
「成島、78点。前回より20点以上上がってるな。頑張ったじゃないか」
先生に答案用紙を渡され、俺は思わず目を見開いた。
「マジか……」
78点。
今までの俺からしたら、信じられない点数だ。
「すげー!成島、何があった!?」
「えー、ナルシーが70点台!?」
クラスメイトたちが驚きの声を上げる。
「まあ、この美しさに見合う知性を手に入れただけだな」
俺は胸を張って答えた。勉強会の効果はテキメンだったと言えるだろう。
ふと音羽の方を見ると、彼女はこちらを見て微笑んでいた。
ありがとう、音羽さん。俺もそっと微笑みを返した。
♢
土曜日の昼下がり。
俺は音羽の家のリビングで床を拭いていた。
「掃除、終わったぞ」
「ありがとう。手を洗って座ってて」
音羽はキッチンから顔を出し、そう言った。
しばらくすると、音羽が料理を運んできた。
目の前に置かれたのは、色鮮やかなオムライス。ふんわりとした卵に、デミグラスソースがかかっている。
そして、小さなケーキが添えられていた。
「これは……?」
「お祝いよ。テスト、頑張ったでしょう?」
音羽は嬉しそうに微笑んだ。
「音羽さん……」
思わず胸が熱くなる。
「いただきます!」
二人同時に手を合わせ、食事が始まる。
オムライスを一口食べると、ふわふわの卵と濃厚なデミグラスソースの味が口いっぱいに広がった。
「相変わらずうまい……!」
「ふふ、喜んでもらえて良かったわ」
音羽は満足げに頷いた。
食事を終え、ケーキを食べる。
甘さ控えめのスポンジと、爽やかなクリーム。
「これも美味い……音羽さん、ケーキまで作れるのか」
「簡単なものだけどね。成島くんが頑張ったから、お祝いしたかったの」
その言葉に、俺は視線を逸らした。
頬が熱くなるのを感じる。
「……ありがとう、音羽さん」
「どういたしまして」
音羽は優しく笑った。
♢
食事を終え、二人でソファに座る。
「成島くん、次のテストも頑張ってね」
「ああ、もちろん。また教えてくれるか?」
「ええ、いくらでも」
音羽は頷いた。
窓の外では、初夏の日差しが眩しく輝いている。
「……なんか、音羽さんと勉強するの、楽しいな」
ふと、そんな言葉が口をついて出た。
音羽が少し目を丸くして、それから微笑む。
「私も、成島くんに教えるの、嫌じゃないわ」
その言葉に、胸が温かくなる。
何がおかしいわけでもないが二人の間で笑顔が溢れた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんはテストの点数どうでしたでしょうか?
私は国社保健は満点近く英語と理科はそこそこ、数学は1桁でした。
ちなみに成島達の高校はそこそこの進学校設定です。
成島の順位は中の下から下の上ってとこでしたがいきなり中の上以上にぶち上がりました。




