【うらばなし】キャラの名前のはなし
『アンデッド・ゲームズ・メモリー』をお読みの方はお気付きかと思いますが、文月の作品に登場するキャラのほとんどは、名前に意味があります。
多くはキャラが持つ特性や役割、境遇などから連想していて、ちょっとだけ捻った名前になっていますね。
このスタイルは、別に文月が特別という訳ではないと思います。
他の作家さんを見渡すと、結構ありがちではないでしょうか?
個人的な意見ですが、キャラの名前を考える時のきっかけがあると楽ですし。
それに、どんなキャラなのかを深掘りしながら名付けして、ストーリーに組み込む事が出来ますから。
さて、そのスタイルをアンメモ(タイトル長いので略した)でも貫いている文月ですが、主人公の袈刃音などは分かりやすいかなと思います。
神のゲームにより、ゾンビの蔓延るようになった世界で生きる少年。
ゾンビに因んだ名前がいいな、ということで屍……別の読み方で屍。
漢字にも意味を持たせています。例えば、袈刃音の「袈」は赤をイメージしたかったので、似合う漢字を探しました。主人公は赤い、というイメージが消えなかったんですよね……。
そして見つけました。袈裟、お坊さんが身に着けているアレです。
何でも、赤褐色の意味があるとか……で、この漢字を採用しました。後に調べると分かったのですが、「裟」の元の意味が赤褐色らしく、それこそ後の祭りでした(汗)。
もっとも、そもそも彼の名前自体が現実だと「それどうなの?」となる類のものではあったのですが……。
他にも、袈刃音の「音」は、ゾンビの音に反応する特性から来ています。何せ、ゾンビに因んだ名前ですから。
ん?じゃあ「刃」はどこから?そう思われた方は、もうすぐ始まる3章をご覧下さい。
多分、分かります。
ちなみに、「三浦」というのは、舞台裏で、袈刃音は既に時間遡行によって3回同じ未来を辿っていたから。
初期案では、実はそうなっていたのです……。
しかし、ちょっと少ないかなと思って回数を増やす結果となってしまい、最終的に苗字に意味がなくなりました。
こういう風に、一つの名前に複数の意味を持たせている事もあります。
ですので今後、「このキャラの名前に含まれている意味は……」みたいに考えながら作品を読んでみるのも、意外と面白いかもしれませんね。