『無くすなよ、君はまだ、心を持っている』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
『無くすなよ、君はまだ、心を持っている』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
㈠
楽に楽をしました、偶然の選択、嬉しい洗濯。
無くすなよ、君はまだ、心を持っている。
金に金をしました、必然の光沢、嬉しい光沢。
無くすなよ、君はまだ、心を持っている。
㈡
長い間生きているとね、心の在り処すら、不確かになってしまうんだ。
所謂、壊れるってやつさ、身体が、ガタガタに、壊れてしまう。
心ってなんだっけ、って自分で思い出したら、相当やばいね、君の心が、美しく見える。
無くすなよ、君はまだ、心を持っている。
㈢
破壊の先に、俺たちは、年老いて、若者達の、輝かしい選択を、希望の様に見る。
社会の原理さ、壊れた大人が、本当の大人、壊れていない大人は、子供の大人。
子供の大人もいい感じだけれど、俺にはやはり、壊れた大人が社会を創り上げて、若者の活躍を期待したい。
だから、無くすなよ、君はまだ、心を持っている。