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〜凶演の始まり〜


「おいおい。七年振りの再会だってのに、呼び捨ては無いだろ?」


「『ノア・トール』!!!!」


 ロマネのふざけた言葉には耳を貸さず、俺は最速の殲滅級魔法を放つ!!


 四方八方から深紅の(いかずち)が轟音と共に奴らに襲いかかり、後に残ったのは焼け焦げた石床だけ。


「ちぃっっっ!?」


・・・・・が、俺は盛大に舌打ちを漏らし、瞬時に奴らの気配を探る。


「相変わらず()()()()()()()


 とん、と、肩に何かが触れる感覚。


「つ!? 貴様っ!?」


「可愛い寝顔じゃないか。・・・ま、ついさっきまで()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


「・・・・・・!!!!!」


 未だ気を失ったままのピニーの顔を、()()()()()()覗き込むロマネの言葉に、ただでさえ沸騰していた俺の頭は臨界点を超えて殺意一色に染まる。


 瞬時に魔力を送る精霊を切り替え、兆候すら見せず俺は次の魔法を放つ!!


「シッ!!!!」


「おおっと! ()()()()流石に不味いな」


 時の精霊による巻き戻しの魔法、『ノア・レボイア』を纏った腕で手刀を繰り出すも、奴にあっさりと躱された。


 ・・・だが、それも想定の範囲内だ!!!


「『ロア・ジェイル』!! 『ロア・アクロ』!!」


 クロノスと()()()地底の精霊ロクサスに魔力を流し込んでいた俺は、地面から漆黒の鎖と同色の巨大な壁を無数に生み出し、徹底的に奴の退路を塞ぐ。


「ほう? その姿で大体想像はついてたが、()()()霊王の力を掌握したか? 目覚めてから七年。随分かかったな?」


 ロマネを捕らえようと鎖が暴れ狂うが、奴は魔力操作による身体強化を駆使して僅かな隙間をすり抜けるように、余裕の笑みを浮かべながら逃げ回る。


「ほざけ・・・『ノア・ツウィッガー』!!!!!!」


 ・・・しかし、鎖は()()()

 

 本命は、『ロア・アクロ』によって生み出した黒壁の中に奴を閉じ込め、風の精霊エーデルの嵐を生み出す殲滅級魔法で、逃げ場の無い暴風地獄を作り上げることだ!!


「ははっ!! 腰抜けのくせに頭に血が上りやすいのは相変わらずだが、少しは考えたみたいだな? ・・・だが、()()()()()


「何っ!?」


()()。グーラ」


 嵐を目前にしても奴は笑みを崩すこと無く、それどころかより愉快そうに口元を歪め、手をかざす。


 すると、奴の正面の空間がまるで切り取られた様に巨体な()()()()が出現する。


 ・・・そして、あろう事かその中から、()()()()()とも言うべき存在が、姿を現した。





「グルオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!!!!」




 それは、神話で最も多く語られる()()


 数多の魔獣の中で、その頂点に君臨する最強種族。


()()()()()()()()()()()だと!?」


 衝撃を生むほどの咆哮を轟かせながら現れたのは、古代より恐怖と力の象徴とされて来た、天災にも等しい存在、‘‘エンシェント・ドラゴン’’。


 起源はよく目にする飛竜を始めとした竜種の魔獣と同じとされているが、力の差は格が違うどころか、もはや比べるのも無意味なほど完全に別種の生物だ。


 当然、そんな規格外の存在が他の魔獣同様無数に存在する筈は無く、一体一体が希少種であり、歴史上でもまだ十体ほどしか確認されていない上、情報は殆ど無いに等しい。・・・だが、その圧倒的な存在感と、目前にするだけで感じる内包された膨大な魔力が、間違いなく目の前の存在がそうだと証明している。


 岩壁の様な皮膚、大木の如く太い脚、巨大で鋭い三本角。


 何よりも特徴的なのは、その巨体に対してすら()()()()()と感じる幅の広い顎門と、退化した翼、そして地面に付くほど膨らんだ腹。


 大きさは元より、こんな姿の魔獣は見た事が無い。


()()の時間だ! 好きなだけ貪れ!」


「グルァァァァァァッッッ!!!!!」


 グーラと呼ばれたそのエンシェント・ドラゴンは、その大き過ぎる顎門を咆哮と共に開くと、俺が生み出した嵐を()()()()()


「魔法を、()()()のか・・・・・・?」


「こいつは見ての通り悪食でな。()()()()()()()()、このデカい腹に収めちまうのさ」


「くっ!?」


 ロマネの独自魔法(ブランド)


 空間を繋ぐ‘‘門’’を開く『アーク』と、魔獣を支配する『カシオン』、か・・・・・・厄介だとは思っていたが、まさか、伝説の存在すら呼び出し、意のままに操るとは!?



「さあ。()()は終わりだ。そろそろ()()()()()()()()()()。なあ? 我が息子よ」





親子喧嘩と呼ぶには凄まじ過ぎる様相を呈しておりますが、まだまだ始まったばかり。どうなる事やら・・・。


この年末のお忙しい中、わざわざこのお話をお読み頂いている皆様には感謝しか無いです。本当にありがとうございます。お陰様で作者は健全な精神状態で年明けを迎えられそうです(←重い)。


クライマックスがこの時期に重なったのは完全にたまたまなのですが、どうか年末、そして新年の幕開けと共に魔王様達の行く末を見守って頂けると幸いです。


・・・何を言ってるのかちょっと分からなくなって来ましたがw 今話もお付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。次話もどうにかなる早で投稿します!!

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