表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/116

〜元魔王と???〜


「おうおう。随分(ずいぶん)威勢(いせい)の良いことだ」


 薄暗い部屋に、男の愉快げな声が響く。


 蝋燭(ろうそく)の揺らめく明かりに照らされたその横顔は、涼しげな相貌(そうぼう)でありながら、口元に浮かべる笑みは獰猛(どうもう)な獣の如きそれだった。


 (はた)から見れば、男は()()(つむ)って独り言をこぼしているだけだが、その(まぶた)の裏に映っているのは、彼の眷属(けんぞく)がその目で見た光景だ。


 哄笑(こうしょう)を上げながら、自分を殺すと宣言する()()の様子を見届けた男は、そこで眷属と共有していた視界を閉じ、手に持っていたグラスを傾け酒を(あお)る。


「にしても、()()()()()()とはな。予想以上に期待外れだ。・・・・・・なぁ? お前もそう思うだろ?」


 男の問いかけに応じたのは、従者の様に自分の背後に控える、白銀の鎧を(まと)った小柄な騎士だ。


「私は、あの()()()()()に期待などしていないので」


「ははっ! それもそうか。悪い悪い。聞いた俺が馬鹿だったよ。これから‘‘勇者’’になるお前に聞くことじゃなかったな。ククッ」


 酒に酔えるほどやわな身体でも無いにも関わらず、男はどこまでも愉快そうに笑う。


「あの()()を殺せるなら、‘‘勇者’’だろうが‘‘魔王’’だろうが、私は何にでもなってみせます」


 鎧兜で顔が隠れていても、騎士の声音からは憎悪と殺意が漏れ出ていた。


「ああ、そうだよな? あの偽物に()()()()、お前の大切な()()()を取り戻すためには、奴を・・・()()()()()()()()()()()()を殺すしか無い」


「はい。必ずや、この手で奴を葬り、()()()を取り返します」


「期待しているぞ。愛しき()()()()。・・・・・・ククッ、ハッハッハッハッ!」


 堪え切れないと言わんばかりに大声で笑い出したその男を、鎧の騎士はただただ静かに見つめ続けていた。




何だかフラグが乱立して参りました。果たして作者は全てを回収できるのか!?


・・・まあ、その辺も込みで生暖かく見守って頂けると幸いですw


短い回だったので後書きも短めにしときます。


今話も皆様、お付き合い頂きありがとうございました! 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ