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僕のクラスの不登校が実はアイドルだった!  作者: M.H
二章 愉快な先輩たち
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28話『雨に透ける』

 村川家の廊下には小さな足跡と大きな足跡があった。もちろん事件現場の検視ではない。凶器と思われるのはびっちょり濡れた黒い傘くらいのものだ。それも柄のボタン一つで開く傘。


「お兄ちゃん春乃風邪ひいちゃうぅ!」


「そりゃ大変だ。でもな春乃。お前が風邪を引いたらお兄ちゃんが看病できる。けどお兄ちゃんが風邪を引いたら春乃はお兄ちゃんの代わりなんてできないだろ? つまりそういうことだ。察せ」


「意味わかんない! 早く出てよ! びしょびしょ! へっくしょ――」


「悪い春乃。お兄ちゃん先にお風呂済ませる。リビングで新聞紙でも引いて待っててくれ」


「はぁ! マジ鬼畜。本物の鬼! 今すぐでないとこじ開けて滅してやる!」


「ならいっその事一緒に入るか? 昔みたいに」


 春乃は息を大きく吸い込んで顔を真っ赤にした。


「絶対にヤ!」


 ぐちぐちと言いながら狭い洗面所から出て行った春乃。晴太は上から洗うタイプの人間だ。


 男子ゆえに十分とかからずシャワーは終わる。春乃が脱ぎ散らかした湿ったシャツに靴下を洗濯機に放り込む。幸い「お兄ちゃんのと一緒に洗濯とかマジない」とは言われていない。


「春乃。上がったぞ」


 うっすらと下着と肌色が透けて見える白のキャミソール姿の春乃はしっかり新聞の上に三角座り。むすっと片頬を膨らませた春乃が肩越しに見てくる。


 いつもあれだけ食べているのに細い体格に晴太は心配な気持ちになる。


「じろじろみんな」


「別に進んでみてるわけじゃない、そんな格好なのが悪い」


 それから晩御飯を春乃と食べ、洗い物を済ませ、テレビを見て、ゲームして、勉強して、ごろごろして晴太の一日は終わった。



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