表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の1993 春  作者: まさひろ
9/25

9

*少しの性的表現が含まれています

 僕は、風呂から出てバスタオルでしっかり体をふき、脱衣所にある大きな鏡で裸の自分を見た。

 中学、高校と特に部活を頑張った訳ではないが、全身にほどよくついた筋肉、引き締まった体、そして、程よい身長、親か受け継いだ体に感謝した。

 風呂から出ると彼女は、キッチンにもリビングにもいなかった。

 僕は、寝室へと向かった。寝室は、とても小さな部屋でベッドが一つ置いてあるだけで、他に家具を置くスペースがないほどである。

 彼女は、すでに布団に入って目を開け天井を眺めていた。僕は彼女の横に座り、「もう寝たかと思ったよ」と彼女に語りかけた。

 彼女は少しの間返事をしなかったが、ゆっくりと話し始めた。

 「私はね、洋一が無理に過去を思い出さなくてもいいと思っているの。いい過去ならいいけど、もし悪い過去だった場合、洋一が変わってしまうのが嫌なの。今のままの洋一であってほしいと思ってる。交通事故で頭を打ったせいで失われた記憶なんて、どう考えてもいい記憶だと思えない。だって、みんな嫌な事は忘れるでしょ?私も嫌な事があった時、さっさと寝てしまって忘れよと思うもの。だからね、タイムカプセルなんて取りに行かないで今まで通り楽しく遊びにいったりしたいなと思ってるの。ねえ、洋一、タイムカプセルの事は忘れて」   

 僕は、彼女の言葉を聞いてすぐに返事が出来なかった。目の前に過去がわかる宝物がある。それを見なかったことにして、後悔しない自身がなかった。実は、過去については、母にもいろいろ聞いた事があった。ある程度の事は聞いたが、そこに隠し事は一切ないかと言われれば、それはわからないとしか言えない。知らないで後悔するより、知って後悔した方がましだと僕は考えた。

 「心配してくれてありがとう。でもね、知らないと後悔する気がするんだ。だけどこれだけは約束するよ。絶対に変わったりしないと」僕は、そっと彼女にささやくように話した。

 彼女は小さく「わかった」と答えた。


 彼女の体は、僕には光輝く人魚のように思えた。実際に人魚なんて、見たことも触った事もな空想の世界の者だとわかっていた。だけど、そのくらい美しく幻想的だと感じたからだ。僕はその肌を子猫をなでるようにさわる。その肌はきめ細かく、滑らかでみずみずしさも兼ね備えていた。僕は、彼女の唇に今日二度目のキスをした。僕達は、肌と肌を重ね合わせお互いに生命いのちを感じた。服の上から抱き合っても生命を感じるけど、余分なふくを取り払った時の方が何倍もその生命の脈動を感じる。

 そして僕達は交わった。

 僕は、人魚を抱くのは2度目であった。最初は、大人の特別な本である程度は知識は得ていたが、現実と本から得た知識ではまったく違っていた。僕は、ぎこちない方法で人魚に接していたが、人魚はやさしく体内へ導いてくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ