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僕の1993 春  作者: まさひろ
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8

 キスをした後彼女は、うふふと笑い「もうー、洋一酔っぱらってる」と言い僕の両ほほを軽くつねってきた。僕は、彼女に「酔っぱらってないよ」と言ったが、ほほをつねられたままだったので、「よっふぁらっふないふが」と意味を理解できない言葉を発していた。

 それを、見た彼女が自分のお腹を抱えて大笑いしていた。僕は、笑い転げている彼女の肩を押さえつけて、再度キスをしようとした時、彼女が僕の口に人差し指を立てて「後でね」とやさしい口調で僕にささやいた。

 僕にささやいた彼女の瞳は、とても妖艶な雰囲気を出しその瞳に僕は吸い込まれそうになった。

 僕は、彼女から離れ、何かを紛らわすように残っていた酒を全部喉に流し込んだ。

 彼女は立ち上がり、一言「お風呂入るね」といい風呂場へ歩いて行った。

 風呂場から『ザァー』と、水の流れる音がした。僕は一人ソファーニ座り先ほどの彼女の顔を思い出していた。

 あの目に見つめられると僕は何も出来なくなってしまうかもしれない。たぶん、それは、僕が彼女を心の底から好きとゆう証拠なのだろうと思う。人が人を好きになると、見るもの全てに幻のような淡いフィルムで覆われて、まるで幻想の中にいる感覚に落ちいてっていると感じた。

 彼女が風呂から出てきたので、僕も風呂に入る事にした。


 僕は、風呂につかり風呂の天井を眺めていた。いつもと違う天井、いつも入っている寮の風呂と異なる天井。

 僕は空を見る事が好きだ。周りの風景より空が好きだ。家の中だろうが外だろうが、それは関係ない。

 周りの風景は情報が多すぎる。家の中では家電製品、家具がひしめき合っていて、外では人、車、看板など目から情報がどんどん頭に流れ込んでくる。

 意識しないようにしていても、目や耳から入ってきた膨大な情報を整理しようと脳が高速回転を行っている。

 脳が高速回転していて僕に直接影響を及ぼす事はない。だが、その必要か不必要かわからない情報はどんどん僕の脳の蓄積場に溜め込まれ、僕が本当に知りたい情報が埋もれてしまうかもしれないとゆう、なんとも言えない不安を持っていた。僕は、自分の過去が脳の蓄積場にあると信じており、だからこそ、必要か不必要かわからない情報をあまり得たくないとゆう理由から空が好きなのかもしれない。

 空はいい。ほとんど頭に情報が流れ込んでこない。それは、僕にとって最高のリラックスする時間となり、情報の世の中から自分自身を隔離する事が出来るからである。


 僕は風呂の天井を見ながらそっと目を閉じた。どれほど時間がたったか分からないが、風呂のドアをノックすると同時に「洋一、大丈夫?」と彼女の声が聞こえた。僕は、ハッと起き上がり、すぐに「大丈夫、もう、出るよ」と返事をした。

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