子犬系な後輩君
とても遅くなってしまい申し訳ありません……!
構想が浮かばなかったのと忙しかったので全然書けませんでした……っ
斜め前に座っている……黒髪に緑色の瞳を持っている男の子……レノ君
トイレに立った後からどうも様子がおかしいけど、この子はどうも、
わんこ属性らしい。
「ゼルディア様!この間剣術の鍛錬をなさっているときのお姿かっこよかったです!」
「ゼルディア様と遠征に行けること誇らしく思います!」
「ゼルディア様は素晴らしい考えをお持ちで……!」
「ゼルディア様が……」
「ゼルディア様の……」
……わん、こ……?
耳と揺れる尻尾が幻覚に見えてきそうだ……
だが褒めたたえられている当の本人は聞いているのか聞き流しているのか、黙々と料理を食べていた
レノ君はそれだけ話していても料理を食べるスピードは落ちていなかった。すごい。
レノ君はゼルディアをほめに褒めまくった末ついには私にもゼルディアのことを聞いてくるまでに至った
「ユイ様はゼルディア様とどのようにしてであったのですか?」
「それはね……」
出会いなんて私が黄金のモンスターと間違えちゃったってことだからゼルディア崇拝者のレノ君が聞いたら怒っちゃいそうだなぁ……
ユイは少し困ったように笑ってゼルディアをちらっと見た
するとユイの顔を見てくすっと笑ったかと思うと口を開いた
「俺とユイの出会いは……俺たちだけの秘密、だよなユイ?」
いたずらっ子みたいな顔をしたゼルディアが私にウインクをしてそういった
それを見てユイもいたずら心に火がついてしまったようで、うん、秘密、といって笑いあった
案の定レノ君はええーっといって聞きたがってたけど二人の秘密だからダメだ―っと言っていたらなぜか……少しうれしそうにちぇー、仲良しさんめ、といって膨れていた
「ご馳走様」
「ご馳走様でした、二人はこれから騎士団に戻るの?」
「そうだな、出先での任務も終わった後だからな、ユイは?」
「モンスターをたくさん倒して強くなろうとしてたんだけど……なんかいいとこ知ってる?」
この世界でレベリングという言葉があるのかどうかも分からなかったのでとりあえずそう言っておいた
するとレノ君が思案顔で一つ提案してくれた
「バレスリアの迷宮……とかどうでしょう」
「バレスリア?迷宮?」
迷宮、かぁ、またあのボス戦ならではの全力全開で戦う感じを感じたいな
……もしもこの世界にいるのであれば全力なのは間違い、まぁ、+αで命がけっていうオプション付きになるんだけどね
「バレスリアの迷宮はこの町から東にあるバレスリアの森の奥にあります。ですが、迷宮というのは魔物とお宝が眠るとても危険な場所なんです」
「そうだ、危険な場所だ。レノ、危険だと理解していながらなぜそれをユイにすすめる?」
興味津々で、しかもいく気満々で聞いていたユイを遮り、ゼルディアは食い気味でレノ君にそう聞いた
「……っ、すいません。実を言うとバレスリアは俺が強くなろうと思って潜っていた所なんです。だから、あそこ以外に知らなくて。……ユイさんに危険が迫るという事を失念していました。申し訳ございません」
鬼気迫るといった風のゼルディアに、レノ君は悔しそうに謝罪を述べた
私がレノ君にレべリングの場所を聞いただけなのに……
「ゼルディア、私が聞いただけだから、そんなに叱らないであげて」
第1お宝があるって言うのとレべリング場所っていうのに加えこの世界の迷宮……つまりダンジョンであるわけだ。
それを聞いてしまった時点で、悲しきかな、私がいくことは決まってしまっている。
「でも、あそこは初級騎士から王国騎士見習いが行く所だ。……色々と危険なんだ、今は幸いにもその季節じゃないが……!ユイ、まさか行く気じゃないだろうな?」
「……なんで騎士の人たちがいたら危険なの……?いや、でもいないんでしょ?それなら……」
「ダメだユイ!」
ユイは掴みかからんばかりのゼルディアを押し戻し、冷静に見返す
「……なんでダメなの??」
「……危険だろう」
ゼルディアは目を逸らしてこちらを見ようとしない
……あくまで言わないつもりなのか
それなら、とユイは少し笑顔を作って顔に浮かべた
「大丈夫だよ、ゼルディア、危険になったらすぐに戻ってくるから!じゃあまた今度!」
ユイは一息にそういってしまうと、立てかけておいた自分の剣を持ち、後ろから聞こえる制止の声も聞かずに店を出たのだった
ユイはいち早くレべリングをして強くなりたいのでしょう……
レベルは低いですけど、レベル1の時点で素ステはカンストの上乗せなのでまぁ簡単にいったら最強のチートですよね( ´∀`)