表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/17

14.特別特典


「っと、もう時間が迫ってるな……伝えなきゃいけない事があったんだよ」


「……まだ……?何か……?」


疲労困憊した様子のユイは、あの後ずっとエルノアの

可愛いところを聞かされていた


もうお腹いっぱいですとサニアを睨み半分に見つめると

「ごめんねぇ、エルノアの話はまた今度」


いやもういいから!!!それがもういいんだってば!!!とユイの心の中の突っ込みが炸裂した


「エルノアがユイに伝え忘れたって言ってたことは、

ユイが安心して暮らせるように、ゲームのステータス引き継いでレベルを初期化しといたから!レベリング頑張ってね!……だそうだ、ついでにステータスオープンって言えばレベルだけ表示されるぞ」


サニアは微妙に似てるかも……という感じのエルノアの声真似とともにそう言ってくれた


「へぇ……ステータスオープン……へぇ、イビルウルフ一体で3レベにまでなったんだ、まぁ最初だしね」


ピコンという軽い音とともに現れたのはLv.3と言う文字だった


「あ、ここの空間でならステータスみれるよ、見る〜?」


「はい、見たいです」


私はLv.99の時のattack値だけ覚えていたので、見れられたステータスを見て安心した


私、Lv.100になれてたんだ、……なった途端に1レベになってたって、悲しいけどね


覚えていた値よりも少し上がったステータスを見て、ユイは嬉しくなった


「じゃあ……って、ユイは僕らの血族とも仲良くしてくれてるみたいで嬉しいよ、一方的なものだとしてもね」


サニアは別れを切り出そうとしてそういった


「血族……?」


「そう、僕の世界の……って、あは、隠してるのに僕が言ったら駄目だね、じゃあねユイ、僕は応援してるよ〜またなんかあったらよぶね、ばいばい」



えっ、ちょっと待って、という前にサニアの姿は霞んで消えていった


そして、気づくと噴水の広場にいた


「え〜、なにそれ……」


サニアの言っていた血族はいくら考えても分からなかった



「うーん、ユーリカさんの欲しいものとかわからないしなぁ……」



ユイはあの後貰った報酬でユーリカさんに何か買っていこうかと露店に寄っていた


綺麗だな、と立ち止まった魔石のお店には沢山の加工品が置いてあった

指輪やネックレス、イヤリングにブレスレットなど、金属で加工されたアクセサリーの類が並んでいる


この世界での魔石は宝石のような物なのだろうか?


ユイがそうして見ていると、店主のおばさんが出てきた


「おや、もしかして大切な人に送る魔石かい?」


「はい、感謝してる人がいて、その人にあげようと思っているんです」



そう言うと、おばさんはそうかいそうかい、と笑って、それならこれがいいよと3つくらいの魔石を指してくれた


「左から緑色のが健康、青色が幸福、黄色が長生きの意味がある魔石なんだよ、大切な人にぴったりさ」


それはどれも小さなものだったが、周りにあしらわれている細かい金属細工が、キラキラ光る魔石をより一層綺麗に見せていた


「青色のをください」


ユイは幸福の青色を店主に頼んだ


ユーリカさんには幸せになって欲しいんだ、私をこの世界で大切にしてくれる、大事な人だから。


「毎度あり、じゃあ、その人と仲良くね!」

「ありがとうございました」


ユイはおばさんに手を振って背を向けた


ビンテージ物のような色をしたそれはネックレスだった


ユイはそれを大事に手に握りながら家に向かった




「ただ今戻りました〜!」

「おかえりユイ、……なんだい、ずいぶん嬉しそうだね……初めての依頼は上手くいったのかい」


ユーリカさんは私を見て少し笑いながらそういった

「えへへ……あの、これ、ユーリカさんに!」


ユイは後ろ手に隠していたネックレスをユーリカに差し出した


「ユイ……こ、れ……あんた……」


ユーリカさんは私が想像してたのとは違う反応をした

私は、もっと、喜んでくれるかな〜?とか思ってたんだけど、目の前のユーリカさんは私の手を見て目を見開いてる


なにかダメだったのかな……


「ユーリカ、さん……?」


ユイは心配になって手を引っ込めようと思ったが、それはユーリカによって遮られた


「あ、いや、なんでもないよ……ありがとね、嬉しいよ……本当に、うれしい……っ」


そして、私の手首を持ったユーリカさんの手は震えていて、


「ユーリカさん……っ、なんで、泣いてるの……?」


ユーリカさんは泣いていた







次はユーリカさんの過去の話です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ