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1.序章

昔からうわべだけの付き合いが嫌いだった。


お世辞とか、社交辞令だとか、大人になるにつれて必要とされるもの。

小さい頃は何も考えずにしゃべっていたあの頃は楽しかったのに…


結衣(ゆい)ちゃんかわいいね!!」


幼稚園の頃、あれは忘れもしない入学式…


一人の女の子がとことことかけてきて一言そういったのだ


家族に言われるのは親だからだと子供心に思っていた子供らしくない結衣はそんなことを言われてうれしくなってしまった


お母さんと今日あった嬉しいことを話しながら手をつないでルンルンで帰っていた結衣に、隣の家の男の子が「あ」と言って親と手を放し何やらこっちへ走ってきた。



「さっきのきいてたけどさぁ、あれ、しゃこうじれい、っていうんだぜ!」

にこっと笑いながら言ってきた。

そんなことを言うためだけにわざわざ走ってきたのかと口がふさがらない


何せ幼稚園児である、



結衣は面食らっていた。


隣でお母さんがなんのこと!?結衣!?とあたふたし、

目の前でその子の母親があんたなんてこと言ってんの!?と自分の子供につかみかかっているのが見えたけれど、そんなこと関係ない。



突発的かつ驚きのこの事件により結衣の上部付き合い嫌いは始まったのだ。














その事件から時がたち、高校1年生となった結衣は誠也(お隣さん)(クソ野郎)から日々逃げるために尽力していた。


そして行き着いたのがVRMMO Gallus (ガルス)online(オンライン)


普及し始めたのは何年前だったか、どっかの会社が出したフルダイブ型の機械を頭にかぶりゲームのカセットを横の穴に差し込めばそのゲームができるらしい。


制作会社の文句は”ーこの世界ではもう一つの自分でもう一つの物語を自由に冒険しよう”だった。


私は初めてのダイブの時からこの世界の虜になったのだ。



「ふぅ、レベルも98超えたあたりから必要経験値がえぐかった、よく頑張った私。」


そして、このゲームを始めて早一年。


「やっと残り経験値1000」


ゲームなんてオセロとか将棋とかをたしなむ程度で全く縁のなかった私がよく一年でここまで行った。


ゲーム内でもトップランカーとして名前を知られるようになったのだ。


結衣は「ぐすっよくやったなぁ…」とすすり泣くふりをして目の前の敵を見る


目の前のlv.80のカオス・コボルト・キングを倒せば100レべである。



「お前の首はもらったぁああああ!!!」



敵の攻撃は大胆かつ高威力だが、その大きな体躯ゆえに読みやすい。


何回も倒しに来ているので攻撃パターンも分かっている。

だから、油断したのだろうか



「よっしゃーあとすこし!あと少しでレベル上がるぅうう」



結衣は敵の周りを走り回りながら「うへへ」と笑っていた


「ん?」


見逃した、今目の前に赤文字で運営からメッセージが飛んできたのに


まぁ、緊急メンテの類だろう、あと2、3分は持つはず!


「トド、め!」


とどめを刺そうと結衣がボスに走り始めたその時、強制的に意識が切り離されていく感覚とアバターの感覚が徐々になくなっていく感触がした



えー!だめだめだめ!!!これを倒して私もlv.100に!!!


「し、ね、ぇっ!」


なくなる感覚の中で結衣は武器を持っていない反対の手でピックを投擲した




アバターを光が包み込むのと結衣の意識が暗転するのは同時だった。





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