表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機械じかけの私とお父さん  作者: ブラックサレナ
姉妹1 宗教好き
5/40

④ 異世界の「召喚師」

ゴトゴトと「帝国」の荷馬車に乗せられながら、私は死地へと向かう。


「全ての召喚師は殺せ」


その言葉と共に私の両親や友達 そして里の者達は全て殺された。


一人ぼっちの召喚師 今のそれが私 涙もとうに枯れ果てた。

肉体の清らかさも失い、戦う為の手足も物理的に失った。


そして喉も奪われた状態で、私は帝国へと運ばれている。

あの時、私を捕らえた者達が言った言葉


「実験材料は一つ残しておけ」


その言葉と主に私は自分の運命を理解し、今その死地へと向かっている


最後の救いを奪う形で私は猿ぐつわを嵌められ

しかし、そのまなこだけは奪われる事はない



自分がされる事を最後まで見続けろ



そう、言われているような気がした…


顔も身分も分からない人物の悪意を勝手に妄想しながら

私は荷馬車に乗せられ運ばれる。


私達は敗亡した。 そして私達は滅ぶだろう


それから、私は弄ばれる…

私の上に跨り、散々になぶりつくした連中に蔑まされながら運ばれ


そして私と言う存在はまた同様に弄られるのだ。


救いなど何処にも無い 奴等は傲慢だ。容赦など無い

私という者達が確かに存在した種族は滅ぶのだろうか?


ああ、滅ぶだろう だが… その滅びを奴等に利用されるのだけは御免だ。


奴等は一つだけ過ちを犯した。それは私の目を潰さなかった事だ。

手と足だけが魔法陣を書く手段じゃない


私のこの眼一つあるだけで、私は奴等が恐れた術を使う事は出来るのだ。

そして長い時間はかかってしまったが… 魔法陣は既に書き上げた。


後は何を召喚するかだ。

奴等の「魔法」に、私達の召喚術は通じなかった。


ドラゴンは召喚した矢先に焼き滅ぼされた。

それより弱い魔法生物もまた一緒の運命である事は明白だ。

魔法は強い 生半可な存在では奴等に一矢報いる事は出来ないだろう


ならば何を選択する? 何を呼び出せば奴等に敵う?


散々悩んだ挙句、私が選択したのは「悪魔」だった。


呼び出した者に自身の肉体を食われても良い 

私はたとえ助からなくても良い  

この場で、私は弄んだ者達の鼻を明かさせればそれで、良いのだ…


それは所謂「召喚術」の禁忌

だが、もうそれを咎める者は誰一人居ないのだ。


一人ぼっちの召喚師 

その召喚師がもたらす「災厄」を、精々楽しむが良い


私は猿ぐつわで自由にならない口元をニヤリと動かした気になって

最後の手段とばかりに、術を行った。


それから、来たのは彼だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ