③ 天才の一日
「今日はグラタンが食べたいな 買って来てくれ」
彼がコクンと頷く そして彼は鉄が擦れる音を出しながら
玄関の扉を開け、外へと向かっていった。
自分を狙う敵を滅し、自宅へと帰宅した私は
元の職業の経験を生かし、精巧な騎士である「彼等」を作り出した。
彼等とはすなわち、鉄の意志と体を持ち
自分の敵を躊躇する事なく倒す私の「騎士」達
簡単に言えばロボットだ。
だが常に敵に狙われている自分を守るという意味では
やはり彼等を騎士と呼ぶに相応しい
元の家から離れ、こんな毒草しか田舎に越してきたのも
全て我が騎士とすべき彼等を生み出す敷地を手に入れる為
そして最近になってそれは軌道に乗った。
今では一体の「騎士」と多数の「番犬」達が常に私に付き従い、私を保護している
最近、私は外に出る事が少なくなった。
それはなぜかと言うと、どうやら私の正義の行動がネット上に拡散されたらしく
それから私は常にネット上に潜み
自分を付け狙う暗殺者に目を付けられる事となった。
私の陣地の玄関のチャイムを連続して鳴らす者
自分の自転車を破壊し、それをネット上に公開しようとした者
それ等は全て、私を狙う暗殺者の仕業だった。
だが、その暗殺者達はまだ新米だったのだろうか
それ等の行為は全て自分に露見して
彼等はした行為に対しての報復を最大限受ける事となる
顔面を足で強打され、歯を大量に失った者
体の手足が反対側を向き、玄関に見せしめとして飾られた者
私はそれ等の者の氏名住所交友関係を全て洗いざらし調べた上でネット上に公開し
自分を狙う暗殺者の見せしめとした。
それから誰一人として私を狙う暗殺者が来る事は無かったが
私は警戒の為に自宅へ篭るようになった。
今では生活は安定している。
父母が残した遺産、そして「事件」が起きた後に貰った慰謝料見舞金退職金
そして今まで作り出した物の特許料と投機で得た多額の資金で
私はおそらくこれから金銭により苦しむ事は無いだろう。
こう言っては何だが、私はかなり優秀なのだ。
そう、私は私の才能を生かす事で生活に困る事は無い
だが、だがだ だが… 時折どうしようもなく空しくなるのだ。
少し前までは、私は家族に囲まれていた。
妻に子供に、両親に… 友人だって居た。
だが、今はそれが無い…
家族を失い… いや、全てを失ったあの日、私は変わった。
自分は常に周りの敵から悩まされる事となり、逃げるように母国に帰ってからも
同じように敵に悩まされている。
この世界は敵だらけだ 私の周りには敵しか居ない
そう、この世界に存在する限り私はその敵から逃れる事は出来ないのだ。
敵しか居ない世界 敵に囲まれた世界
私の周りは敵だらけ、敵という概念により支配された世界
勿論、そんな世界にも良き者は居る
だが、その良き者を守るだけの力は自分には無い
自分は、無力だ……
だから、私は「空」を目指す事にしたのだ。
果てしない「空」 誰にも邪魔されない静寂の世界
この世の全てを守る為 義父に言っていた「正義」と言う物を遂行する為
自分、そして私と言う存在は「宇宙」という「空」を目指す事にしたのだ。
その尖兵、騎士として育て上げた彼等 そして、私という存在が
この世を救うのだ。
もう、誰も悲しませたりしない そう、私は世界を救う。
この星に住まう全ての存在を救い、全ての者をあまねく楽園へと導いてみせる
そして私は全ての敵を滅ぼすのだ。
玄関が開いた。 彼が来たのだ。 私は食事を取る。
それはとても正しい事なのだと思う。
私は彼の元へと歩き出す。 そこで、光に包まれた。