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機械じかけの私とお父さん  作者: ブラックサレナ
姉妹1 宗教好き
10/40

⑨ 初めての「黒いアレ」

「ガッ… ゴ……!?」


私は目を見張る。これはどういう事だろうか!?


彼は昨日まで持っていなかった蓋が白い青い箱から黒い板状の物を取り出すと

それをポキリと割って小分けにし、私の口へと運んでくれた。


正直何だか分からない物を食べるのは不安だった。

だが食べた瞬間、少しの苦味が加わった強烈な甘みが口の中に広がり


その甘みが身体中に染み渡るかのように私はその場で体を身震いさせた。


それはとても甘く、何とも言えない香ばしさを持つ「何か」だった。

里で食べた木の実の甘さとは違う、何か別次元な何かの甘さだった。


しばらくそれを舌で転がしていたが

だがそれはすぐさま口の中で溶け、無くなっていった。


彼の方をチラリと見る。

彼はその仕草で察したように小さく笑うと、膝を付いて私の口にそれを含ませた。


その至福の時間はしばらく続いた。 これ、本当に美味しい!!


それから彼は透明な水筒から水を出すと、私の口に含め飲ませ

しばらくして先がブラシになっている棒で私の口を丁寧に磨き始めた。


ブラシの上には何か白い練り物のような物が乗せられていて

それは舌をピリピリさせたが、それを口から吐き出すと

非常に清清しい風味が口の中に広がる。


普段は塩で歯を磨いていたが

彼のしてくれた方がより綺麗になったようで気分が良かった。


それから彼は私の髪を洗う。使う水はまた例の透明水筒


そしてキュッキュと音が鳴る謎の容器からドロリとした液体を取り出すと

私の髪を揉み出した。


それからは、もう為すがままだ。


私は小一時間ですっかり綺麗になり、衣類も新しい物へと変わった。

服は彼の物だろう、かなり大きめでダボダボしているが


だが前の汚れだらけの黄ばんだ衣類よりはずっとずっとマシだ。


彼から貰った衣類からはとても良い匂いがして

体も彼に洗ってもらった事ですっかり綺麗になった。


彼に裸を触られた事は少し気恥ずかしかったが…

だが洗うその手からは何一ついやらしい物を感じる事は無かった。


それはそれで… 少し寂しいけれども…


彼の方を見る。私の身支度は終わった。だがその後は?

色々と不思議に思う事はあるけれど、私がそれを口に出す事は出来ない


(そもそも言葉も通じない)


彼を見上げる私 それに気付く彼 彼は笑う そして言う


「ユメノナカダロケド トニカク アルイテミルカナ」

私はそれに頷いた。 勿論、意味は分からなかった。


そして彼は私は易々と抱きかかえると

私達はそのまま森の中をスタスタと進んでいった。



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