表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「そういうことかもしれない」

作者: ゆう


この間の夜は眠れなかった。


ひとつの言葉に色んな意味をつけてしまったせいで、たくさんの「そういうことかもしれない」で私の部屋はいっぱいになった。


ある「そういうことかもしれない」は部屋の天井をぐるぐると回り、ある「そういうことかもしれない」は猛スピードで壁にぶつかっては方向を変え続けた。


部屋いっぱいになってしまった「そういうことかもしれない」は「そういうことかもしれない」同士が衝突したり正面衝突の結果、合体してしまったりしたものもいた。私はそのたびに大きな音がでるのではないかとヒヤヒヤしていた。


なかには部屋の暗闇の色がついてしまって、

くすんでいく「そういうことかもしれない」もたくさんいた。そういうヤツは周りのヤツの色もどんどん変えていくのでなるべく動かさないようにするのが大変だった。


あまりにたくさんの「そういうことかもしれない」が部屋に充満したせいで私は息が苦しくなってきた気がして重い気持ちで雨戸を開け、そして窓を開けた。


そしたらいつのまにか夜が明けていて空は白んでいて、いつもより重い目で空を見上げた時、たくさんの「そういうことかもしれない」が部屋から出ていってもう二度と戻ってこなかった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ユニークな作品で面白かったです。 たくさんの「そういうことかもしれない」が部屋から出ていって、「そういうことだ」は部屋のなかに残ったのかな、なんて考えました。 ゆうさんは時おりユニークな作…
2018/10/11 13:02 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ