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リエラと創ろう迷宮都市!  作者: 霧聖羅
逃走植物と虫の森
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435日目 空の旅

ルナ:リエラの親友。いつも、色々と手助けしてくれる。頭が上がりません。

アルン:エルドラン領主の孫娘。調薬を学ぶ為弟子入り中。

麗臥:アスラーダさんの友達の竜人さん。やたらと彼に抱きつくのが嫌。

緋炎:麗臥さんの奥さん。アスラーダさんのファンらしい?

 精神に打撃を受けた魔法具技術交流会の夕食会の翌日、ルナちゃん達は湿原の町へと出掛けて行った。

私の方は……来週グラムナードへ行く予定だったのを、前倒しする為に、『緋炎鍛冶工房』へやってきたところだ。ルナちゃん達が遠出から戻ったばかりで出掛け直すのは辛いだろうと言うのと、2人が連れてくる人物というのがアルンの悩みを解決してくれる人だった場合、出掛けている場合じゃない気がするからって言うのが前倒しにしたい理由。

「緋炎鍛冶工房」は、村に最初から在る鍛冶屋さんで、リエラの天敵の奥さんがやっている工房だ。

今日は……天敵の麗臥さんに、グラムナードまでの送り迎えをお願いできないか頼みに来たんだよね。

 最短で往復する為には、竜人である麗臥さんに空の便をお願いするしかないと分かってはいるものの、彼に頼みごとをするのがなんとなく嫌で、私は扉の前をウロウロしていた。


「んじゃ、ちょっくら届けてくんなー!」


 中から、麗臥さんの大きな声が聞こえた。

そして、「あ!」と思った瞬間にはもう手遅れで、勢いよく扉が開いてきて……。私はガツンという鈍い音と共に宙へと舞い上がり、道路に叩きつけられた。




「いやー! ほんと、わりーわりー!」

「ちょっと、本当に反省してるの?」


 気が付いたら、知らないベッドの上に居て心配そうに緋炎さんが覗きこんでいた。

じんじんと痛む額と背中に、何があったのかをおぼろげに思いだす。

痛い頭に手を当てながら起き上ると、笑いながら謝る麗臥さんを裏拳で黙らせつつ、緋炎さんが代わりに謝罪した。

この夫婦はいつもこんな感じで、凄く仲が良いんだよね。ちょっと羨ましい。


「ところで、ウチに来るなんて珍しいけどどうしたの?」

「実は、グラムナードに行くのに空の便をお願いできないかなーと思って……。」

「麗臥でいいなら貸せるわよ。何日?」

「今日の午後から6日間。1日2万ミルでどうでしょう?」

「1日1万ミルで十分よ。」


 本人の了承なしに進んで行く話しに、流石に抗議の声が上がる。


「ええー?リエラだけだろぉ?」

「文句言わないの。久しぶりにグラムナードの迷宮で遊んでくればいいじゃない。」

「緋炎ちゃん居ないの、さみしーなぁー。」


 ぶーぶー言いながらも、いそいそと旅支度を始める麗臥さんを苦笑しながら見ている緋炎さんに、用意して来ていたお金を手渡すと、きっちり半分返却された。


「ウチの宿六をよろしくね!」


 


 そんなこんなで、痛い思いをしつつも空の足を手に入れて、その日の午後の内に麗臥さんの背に乗るとグラムナードへの空の旅に出た。

流石に竜の姿になっている麗臥さんに襲いかかって来る様な動物はいなくて、空の旅は快適だった。

麗臥さんは、アスラーダさんが居ない時はアクロバティックな飛び方をしないので安心安全だと言う事を今回初めて知った。アスラーダさん、結構反応が面白いからなぁ……。それでついつい、からかっちゃうのかもしれない。でも、麗臥さんはやたらとアスラーダさんに抱きつくから嫌だけど。

だってさ、私だってあんまり抱きついた事は無いんだもん……。

 ちなみに、私が居ない間の事はアルンの指導も含めて、全部アッシェとコンカッセにお任せだ。

2人とも、しっかりしているから私も心置きなく留守に出来る。

私がこの村で2人の指導をするのも、もうそんなに長い期間じゃないかもしれないな。

そう思うと、何とも言えず寂しい気持ちになった。

アッシェとコンカッセと離れるのも寂しいけど、アトモス村の事自体も、随分と好きになっちゃってるんだとこの時始めて意識した。

なんだかんだで、トーラスさん達にも可愛がってもらってるし離れがたい気持ちはあるけど、私はグラムナードに骨を埋める覚悟を決めたんだし、ソレを変えるつもりは無い。

でも、何と言うかね……。

もっと、何らかの繋がりがあったらなぁって、そう思ってしまった。

結構、気が多いんだなぁ。私。


「そろそろ着くぞー?」


 ぼんやりととりとめのない事を考えている内に、いつの間にかグラムナードの姿が見えて来ていた。

まだ夕方には早い時間で、空を移動するとこんなに早くここまで来れるのかと改めて感心してしまう。


「工房の前にお願いします。」

「ほいほいー。なぁ、俺も工房に泊めて貰えるのかね?」

「部屋はあると思うから、頼んでみるよ。」

「助かるわー。よろしく!」


 私達は、最低限のルールを守るために、外町の入り口を通ってグラムナードに入った。

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