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リエラと創ろう迷宮都市!  作者: 霧聖羅
逃走植物と虫の森
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419日目 備えよう

アスラーダ:リエラの恋人?プロポーズ予告は貰ったので一応、両想いな筈……。

ラヴィーナ:アスラーダさんの叔母様。王太后様でもある。隠し事がへたっぴ。

アッシェ:三つ目族の調薬担当。甘えた口調で毒を吐く。その毒がクセになる?

 グラムナードから、アトモス村に帰ってきてからのあらましを話し終えると、アスラーダさんは目を閉じて何かを考え始めた。


「エルドラン公か……。」


 暫くしてそう呟くと、身を乗り出して私の頭をクシャっと撫でた。


「成果が出ないのはお前もその令嬢も辛いかもしれないが、暫くの間現状維持に努めておいてくれ。令嬢の件は、俺の方で対策を考える。」

「……分かりました。」


 彼が何をするつもりなのかは分からなかったものの、現状、打てる手が無い事だし一旦任せて見る事にした。彼の対策が実を結ばなかった時は、また改めて考えればいい。


「それにしても、新しい迷宮は結構魔物が凶暴だと聞いたが……?」

「ラヴィーナさんのご希望だったから。」


 私の返事に、彼は面白がるように片眉を上げると言葉を続ける。


「ふぅん? 王都の高級料理屋で、そこの魔物野菜が大人気らしい。」

「あ。そうなんだ。」


 自分で弄っておいてナンだけど、実際のところ、収穫は少し面倒だけど最上の状態で採れるたモノは

ポッシェが動かなくなるレベルで美味しいから、その評価には納得かも。

そう思いつつウンウンと頷いた。


「ああ。後、王宮内で騎士団の鍛錬に丁度いいとかと言う話も聞いてたな。」

「お役に立ってるみたいで良かった。」

「お陰で騎士団の練度も、順調に上がってきているそうだ。」


 最後のものにはホッとした。

実際、毎週の様に入れ替わり立ち替わり騎士団がやってきては、『逃走植物と虫の森』に入って行ってるとトーラスさんから聞いていたものの、実際的なところがどうなのか良く分からなかったんだよね。


「それって、ディナト大森林に入っても問題ないレベルで?」

「大森林……?騎士団を?」


 心底意外そうな顔で問い返されて、ラヴィーナさんが彼にも、あの事を話していないらしいと気が付いた。もしかしたら、誰にも話していないのかもしれない。


「……叔母上が何か言ってたのか?」


余分な事を聞いちゃったかもしれない。


 そう思ったものの、口から出てしまった言葉を回収する事は出来ないから、仕方なく首を横に振ってから、私の予想と、その予想に至った理由を話す事にした。


「ラヴィーナさんが言った訳じゃないんだけど……」


 そう前置きをして話したのは、『逃走植物と虫の森』を設置する直前に話した内容。


・新しい迷宮が発見された場合に村に不都合な事が起きないかを相談しにラヴィーナさんを訪ねた事。

・その席で、多少の不都合があっても、一刻も早く迷宮を設置して欲しいという焦りを感じた事。

・今回設置する予定の迷宮が、初めて会った時に希望された『ディナト大森林に出る魔物全般』がいる迷宮であった事。

・ラヴィーナさんが焦っているのを感じた時に、去年この村に来た時に遭った大森林から出てきた魔物の山を思い出し、また似た様な事が起こる可能性があるのではないかと思った事。


 全て話し終ると、彼は眉を寄せながら考え込んだ。

 

「お前の質問に、叔母上は答えなかったんだな……。」

「うん。黙って薄く笑ってるだけだった。」


 実は、この『黙って薄く笑ってる』時のラヴィーナさんって、主に『答えたくない事』や『内緒にしておきたい事』がある時の癖なんだそうだ。

この悪役っぽい癖、アッシェが聞いたところによるとどうやら旦那様の前国王陛下に仕込まれたらしい。

返答する事によって、困った事が起きそうな場合はこれで乗り切る様にって……。

彼女は確かに、余分な事とかもぺろりと言っちゃいそうだしな、と納得しちゃったけど。


「……少し、明日は早めにあっちに帰って調べてみよう。」


 そう言うと、ソファから立ち上がって私の事を立たせると、強めに抱きしめる。


「全く、面倒事が次から次へとやってくるもんだな。」

「本当だねぇ。」


 ぼやく彼に、私も同意するしかない。

全くもってその通り! としか言いようがないよね。

2人で暫くの間、身を寄せ合っているとなんだか元気が湧いてくる気がした。


アスラーダさんとなら、きっと難しい問題が起きても乗り越えていける。


 何の根拠もないけど、そんな自信が湧いてきて自分でもおかしいなって思ってしまった。

実際には、アスラーダさんと一緒に居られる為ならどんな努力でもしてやるって言う方が正解かも。

なにはともあれ、ディナト大森林からまた魔物の氾濫が起こった場合への備えをもっとしておいた方がいいかもしれない。

私は彼の背中に腕を回しながら、頭の中ではそんな色気のかけらもない事を考えていた。

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