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リエラと創ろう迷宮都市!  作者: 霧聖羅
逃走植物と虫の森
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321日目 謝罪

トーラス:アトモス村の村長さん。熊人。年末に下級貴族になった。

アッシェ:三つ目族の調薬担当。甘えた口調で毒を吐く。

コンカッセ:いつも眠そうなぶつ切り口調の魔法具担当。

ポッシェ:探索者組のクマ耳族。女の子と美味しい食べ物が好き。


2017/2/5 計算違いの修正を行いました。

 翌日の朝一番でやってきた彼は、私の顔を見るなり地面に頭を擦りつけた。


「ほんっとおおおおおおおに、すまん!!!!!!」


 大音声での謝罪に若干引きつつも、彼を玄関口から中へと引っ張り込む。

爵位を賜ったばかりとはいえ、仮にも貴族になった彼が平民の女に土下座しているところなど見られて良い筈がない。たとえ、それが古くから居る村民ばかりだったとしてもだ。


「次からは、いきなりああいう真似はやめて下さいね。」


 彼をやっとの思いでソファに座らせて、お茶を出しながらお願いする。

トーラスさんは、クマ耳を伏せた状態で椅子の上に縮こまった。

椅子に座らせるまでの間にも謝罪は続いていて、既にその内容に関して聞いている事と、怒っていない事は伝えたんだけど……。どうすればいつものトーラスさんに戻ってくれるかな?


「本当に申し訳ない。」

「もういいですから……。」


 再び出た謝罪の言葉に、苦笑交じりで応じながら彼の正面に腰掛ける。

今いるのは食堂ではなく、寛ぐ時に使う用の居間だからトーラスさんの巨体もきちんと支えられる丈夫なソファが用意されている。

背丈はともかく、熊人であるトーラスさんはポッシェを上回る重量級だからね。

家にも工房にも良くやってくるから、彼がいつでも来れるように丈夫な物を用意してある。

少し、落ち着いて貰う為にお茶を勧めると自分も同じものに口をつける。


淹れる時に、精神を落ち着かせる成分を強化するように魔力を込めておいたから、効果があると良いな。


 お茶に口をつけるトーラスさんを上目遣いに窺がっていると、彼の体から少し気負いが抜けたように見えた。

魔力の加減を間違えると、リラックスしすぎて寝ちゃう事もあるからあまりやらないんだけど……。

今日の彼の状態としては、これで丁度良かったらしい。


「大貴族の『お願い』ですし、断れる訳がないですから気に病まないでください。」

「……そう言って貰えると助かるが……。」

「仕方のない事ですよ。」


 そう言って笑いかけると、彼の萎れていた耳が少し元気になった。


「ところで、若君はどうしたんだ?」

「アスラーダさんでしたら、王宮勤めを始めました。」

「何でまた急に……。」

「後々、領地を継ぐ為の勉強の為だそうです。」

「……なるほどなぁ……。でも、それじゃあお前さんが寂しいだろう。」


 彼の、労わる様な眼差しにドキッとする。


えっと、これは恋人に対する様なアレじゃなくって……?


 『子供に対する様な?』そう思ってから、その考えを即座に否定した。


いやいや、ないない。

初対面の時には既に成人してましたから!


「寂しくはありますけど、必要な事ですから。」

「そうか……。」


 そこから、何とも妙な沈黙が落ちた。

トーラスさんが、なんだか落ち着かない様子で視線を彷徨わせては、私と目が合う度に逸らしたり。

もぞもぞごそごそと体を揺すったり。


「どうしたんですか??」

「あぁ……。うん、いや、なんでもない……。」


 結局、彼は謝罪だけを済ませると、何かまだ用事がありそうな雰囲気だけを残して帰って行った。

一体何だったんだろう??

ちなみに、彼の奇行はこの時だけに留まらず、この後しばらくの間続く事になる。




 朝食の席では、早速早朝からやってきたトーラスさんの事が話題に上がった。

まぁ、謝罪に関しては想定内なので、アッシェ達の聞きたかったのは別の件な訳だけど……。


「それで、結局いつからその子は来る事になるです?」

「あ。」

「決まってない……か。」

「うっかりしてた。」


 聞かれて初めて、その話が一切出なかった事に気が付く。

切りだせる雰囲気じゃなくなってたのもそうだけど、私自身が綺麗さっぱり聞くのを忘れてたんだよね。


「取り敢えず、今日でない事は納得したです。」

「今日は、年末の決算の話もある。」

「コンカッセ、もう集計は終ってるの?」

「終ってる。」

「結構待たせてるだろうけど、あと3日くらい待って貰えるかな……。明後日のお休みの後でどう?」


 今月の終わりには、利益の計上をきちんと行って、レシピの使用料やら事業税やらの諸々の支払いをしなくてはいけない。

コンカッセが毎月つけてくれている帳簿の確認は、月毎にしてあるものの、確認作業にはそれなりに時間がかかるから、今日と明日はその為の時間にあてる事にしよう。


「アッシェは問題ないですぅ。」

「仕事教えるのはアッシェの役目。私に異論は無い。」

「じゃあポッシェ、後でお使いお願い。」

「うん。お手紙を届ければいいんだね。」


 食事が終ると、大急ぎでポッシェに持たせる手紙を用意した。

長期でお休みを貰ってしまったのもあって、あんまり悠長にしていられるほどの時間は無いから、やるべき事はさっさとやっていかないと。

後回しにすると忘れてしまいそうだし。



 そんなこんなで、休み明けはお仕事が一杯詰まっていて、アスラーダさんが居ないのを寂しがっている様な暇は全くと言っていい程なかった。

その日も翌日も、書類仕事も含めて色々やっている内にあっという間に時間が過ぎ去ってしまう。

楽しい時間もそうだけど、忙しい時間も風の様に過ぎ去っていくものなんだと、布団に潜り込みながらしみじみと考える。

きっと王城勤めを始めたアスラーダさんもこれに近い状態なんだろうな、とチラリと思いながら、すっかり疲れ切っていた私は布団を肩まで引き上げるのと同時にあっという間に意識を手放した。



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決算

家庭用デラックス・治療薬レシピ使用料 

年間売上数量×2%=1,891,956ミル


事業税

国)年間利益額×1割=23,415,431ミル

村)年間利益額×1割=23,415,431ミル


収支合計  234,154,307ミル

税金合計  ▲46,830,862ミル

レシピ料  ▲1,891,956ミル

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純利益額  185,431,489ミル

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