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リエラと創ろう迷宮都市!  作者: 霧聖羅
グラムナード
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299日目 おじいちゃんはお見通し

セリス:リエラの女神さま。最近は新薬の開発に大ハマりしてるらしい。

エリザ:リエラと同じ孤児院の妹分。セリスさんの助手として活躍中。

アスラーダ:リエラの想い人。たまにお父さんに変身する。

ラエル:小人族の魔力操作教師。リエラにとってはおじいちゃんみたいな人。

 朝食の時間になって、研究室で夜明しをした私達はハッと我に返った。


「まぁ、いつの間にこんな時間に……。」

「朝日が眩しいですわ。」

「……マズイ。アスラーダさんに見つからないうちに部屋に戻らないと……。」

「俺がどうしたって?」


 慌てて片づけようと手を伸ばした資料が目の前で、実にさり気なくファイルに仕舞われた。

恐る恐る、その手の持ち主に視線を移す……。

アスラーダさん(お父さんモード)だ……。

こちらに視線を合わせない辺りに、彼の怒りを感じる。

私が何かに夢中になって徹夜をしちゃったりすると、良く見る表情だ。

内心その表情に怯えながら、謝罪の意を込めつつそっと名を呼ぶ。


「アスラーダさん……。」

「まぁ、アスラーダ様ありがとうございます。」

「助かりますわ。」


 笑顔で感謝を示すセリスさん達と一緒に、小さな声でお礼を言いつつ私も一緒に片付け始めた。

返事が無いって事は、相当怒っているって事だ。

チラチラとアスラーダさんの方を確認しながら片付けていると、視線に気づいたアスラーダさんが声に出さずに口だけで『あ・と・で・お・し・お・き』と伝えてきた。



アスラーダさん、怒ってる! 怒ってるよ!!!





 朝食の後、アスラーダさんに捕まった私はやりたい事があれこれあったのに、問答無用でベッドに放り込まれ、布団を被せられる。


「あの、アスラーダさん。私、この後やらないといけない事が……。」

「セリスもエリザも寝るように言っておいた。お前も眠れ。」

「うう……。アレとあれを組み合わせて……」


 一応抗議してみたものの、一緒に頭を捻るお仲間は既に寝かしつけられた後だと聞かされ、絶望の海に沈みそうになる。いやいや、2人が起きてきた時に私の案を……と横になった状態で往生際悪く考え始めたら、アスラーダさんが顔を寄せてきた。


「リエラ。」

「は・はい?!」


 ベッドで布団にくるまった私の枕元に手をついて、額が触れ合う程に顔を近づけてくる。



近い!

近すぎます、アスラーダさん!!!



 あまりの急接近に、頬が熱くなる。

彼の視線が私の赤くなっているに違いない頬に向かって、それから私の瞳へと戻ってきた。


「悪戯か、睡眠か。どっちがいい?」

「!?」


 突然の質問に答えられなかった私の頬を、彼の指がかすめる様に滑った。


「す・すすすすす・睡眠で!!!!!」

「おやすみ、リエラ。」


 その答えに含み笑いを漏らしつつ、さり気なく額にキスを落としてから彼が離れる。

私は真っ赤になった顔を隠す為に布団を頭から被って丸くなった。


悪戯!

しっかり悪戯もしてるじゃないですか、アスラーダさん!!!


 おでこにちゅー、照れ臭いけどちょっとだけ嬉しかったなんて事は絶対に内緒です!

そう思いつつも布団にくるまっていたらあっという間に睡魔が襲って来る。

そうなるともう、旅の疲れが溜まっていたのもあってか、結局お昼過ぎまで目が覚めなかった。




 午後になって目が覚めると、アスラーダさんは既に居なくなっていた。

まぁ、居たとしても困るんだけどね。

寝起きを見られるとか、恥ずかしすぎるし。

でも居ないとなると、ちょっと残念な気がするから不思議なものだと思いながら乱れた髪を整える。

お腹が空いたなーと思っていたところで、扉がノックされた。


「そろそろ、空腹で目が覚める頃だろうと思ってね。食事の誘いに来たよ。」


 誰だろうと思いつつ扉を開けると、そこにはふんわりとした金色の髪を揺らして目を細める、小人族の先生の姿があった。相変わらず、その姿はにゃんこの様に可愛らしい。


「ラエルさん!」

「僕と外食するのはお嫌かな?」

「そんな事無いですよ。すぐ、用意するので座って待っててください!」


 昨日は、『ただいま』の挨拶くらいしか出来ていなかったから、彼の方から会いに来てくれたのがとても嬉しい。私は応接セットを勧めて大急ぎで外出用の服に着替えた。

用意を終えて戻ると、サッと私の服装を確認してから彼は腕を差し出す。


「では、久しぶりに町の散策もするとしようか。」

「はい、ラエルさん。」


 こうやって、ラエルさんの腕を取るのですらも、帰って来たんだなぁと思い返してしまって思わず苦笑が漏れる。


「どうかした?」

「……うーん。なにをやっても、帰って来たんだなぁって思っちゃうからそれが可笑しくって。」

「随分と気を張ってるんだ?」

「一応、代表者ですから。」


 中町の飲食街に向かって歩きながら、そんな他愛のない事を語りあう。

彼と仲良くなってから、ちょっと時間が空くとこういう時間をちょくちょく過ごしてた。

落ち込んだり悩んだりした時に、こんな風に一緒の時間を過ごしている間にいつの間にか解決方法が見つかったりしてたんだよね。

ラエルさんと話している内にいつの間にか、といつも思っていたけど、実は彼がさり気なく解決方法を提示してくれてたんだと、あっちに行ってアッシェ達の指導を始めてから気が付いた。

あっちに行ってから、気付く事が随分あるなぁ……。


「それで、どこまで話してしまったのかな?」

「う。」

「あの子の様子を見た感じだと、本心丸ごととまでは言わないまでも……ってところかな。」



う。

図星です。

いつも思うんだけど、なんでラエルさんはこんなにリエラのやりそうな事とか分かるんだろうなぁ……。



 からかいを含んだ目を私に向ける彼に促されると、抵抗しきれない。

色々どうしようと悩んでた事もあったのもあって、結局、今日も『ラエル人生相談所』を開設して貰うことになった。



ほんと、ラエルさんには頭が上がりません……。

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