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2日目 上流向け市場

アッシェ:新工房の調薬担当(予定)。ちょっと変わった多眼族の女の子。

コンカッセ:新工房の魔法具担当(予定)。いつも眠そうなマイペースさんの丸耳族の女の子。

アスラーダ:みんなの『お父さん』面倒見が良くて優しい。

 工房街に行ってみたものの、『高速治療薬』の相場は商店でみたのと同じ様なものだった。

品質は、ひどいものだとグラムナードに弟子入りした時に最初に作った魔力を込めていない『傷薬』と同等の物もあるという始末。

その上で驚いたのが、『魔法薬専門』の工房も『魔法具専門』の工房も全てが『錬金術工房』を名乗っていた事で、どちらも取り扱ってこそじゃないのかと3人で呆然としてしまった。


「赤薬草の値段は5倍だったですねー。」

「出来上がり品よりは倍率マシな程度。」

「だよねぇ。赤薬草はきちんとした処理がされた奴だったけど、この辺では採れないのかな?」


 そう。

『高速治療薬』のメインの材料である赤薬草が錬金術工房で売ってたんだけど、想定していたよりも随分と値段が高かったのだ。

この辺で採れない、もしくはごく少量しか採れないと言うのが理由かとは思うんだけど……。

リエラは、後ろを着いてきてくれてるアスラーダさんを振り返る。

 そういえば、アスラーダさんは知り合いに会う可能性があるからと言って、フードを目深に被って口元をスカーフで隠すと言う、逆に職務質問されちゃいそうな格好なんだよね。

なんというか、もったいない。

 アスラーダさんは、振り返ったリエラの視線を捉えると「後でな」と呟いた。

今の返事からすると、この話はお屋敷に戻るまでお預けの様だから、この後は食料の買い出しに時間を使う事にしよう。


「ざっとは見れたから、食材の買い出しに行こうか。」

「りょーかいですー!」

「明日は市場もお休みですものね。」


 今日の買いだしは、このあたりで主に食べられている食材の調査という側面もあるからそれなりの時間を取る必要がある。

そんな訳で、昨日行ったのとは違う場所の市場に案内された。


「昨日の市場とは、客層が違う。」


 コンカッセの言葉通り、今日の市場は貴族街に近い場所にある物で、来ている客層もお屋敷とかで働いているメイドさんの類なんじゃないかと言った雰囲気だ。

昨日の市場の時はいかにも庶民のお母さん的なお客さんが多い様に見えた。

着ている服もてんでんばらばらで、生活感を感じるというとイメージしやすいかな?

ここだとあちらでは感じなかった統一感みたいなものを購入する側の人から感じるんだよね。

多分、黒っぽいお仕着せだと思われる服のせいだと思う。

こまごまとしたデザインは違うんだけど、用途的に形がどれも似通ってるんだよね。

こう言う人達が来るって事は、置かれてる食材は割と高級な部類なんじゃないかな?

 皆で連れだって市場を練り歩くと随分と目立ったらしくて、あちこちから売り込みの声が掛かった。

そりゃ、黒っぽい服の人が多い中に蒼い兎耳服や、紫のネコミミ服、ピンクのクマ耳服を着た女の子がぞろぞろ歩いてたらねぇ……。

 紫のネコミミのアッシェは、店のおじさん達に愛嬌をふりまいて色々とおまけをして貰った。

ピンクのクマ耳なコンカッセは興味ないフリで、値下げを引き出すと言う高等テクニックを披露。

リエラ?

リエラは……アスラーダさんの横でそんな2人を見ながら、置かれている商品の相場と品目を覚える事に専念してたよ。

 品目を覚える必要があるのかって?

アスラーダさんに道中聞いた感じだと、このあたりで採れないものを箱庭にあまり配置しない方が良さそうだったからね。

一応、頭に入れておいた方が良いんじゃないかと思ったってだけなんだけど。


はてさて。

この調査は報われる……かな?

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