205-208日目 あっという間に8カ月
アッシェ:調薬担当の三つ目族の女の子。よく、「です~」という語尾で喋る。
コンカッセ:魔法具担当の丸耳族の女の子。いっつも眠そう。
ポッシェ:探索者組のクマ耳族の男の子。180センチあるけどね!女の子とご飯が好き。
アスラーダ:皆のお父さん。ついでにリエラの好きな人。
トーラス:アトモス村の村長さん。熊人族で兎耳族の可愛い奥さんが居る。
商工会の昼食会を兼ねた会議は、先にどんな内容を話し合うかを知らせてもらえていた事によって、これと言ってもめる事も無くすんなりと議題の処理がされて、昼食会自体も和やかなものだった。
今のメンバーは、迷宮が発見される前からの人が殆どだというのもあるんだけど、軒数が多くなってきた宿や食事処なんかは、既に毎月定期的に集まって商工会に出る担当を当番制にする事にしているらしい。
錬金術工房が増えてきたら、ウチでも是非見習わせてほしい。
今回の会議で話し合われたのは、新しく出店しても良いと思われる店の検討がメイン。
今は必要ないお店もあれば、今のうちから入れておいた方が良さそうなお店まで色々と名前が挙がった。
特に、早めに入れた方が良さそうだという声があがったのは『春売り宿』とか言う物。
これは探索者や流れ者が増えて来ているから、女性の身の安全の為にも誘致したいという話だった。
ちょっと女性は微妙な顔をしたものの、身の安全にはかえられないという事で何軒か誘致する事になった。
私達にも関係ある話だよなぁと、「なるほど~」と他人事のように頷いているアッシェと、舟を漕いでるコンカッセを見ながら思う。
…てか、コンカッセ!起きなさい!!!
今回は、錬金術工房の開店許可を何軒に出すかと言う事も聞かれた。
念の為、先に出店を希望している工房には、販売予定品を『魔法薬』と『魔法具』に大別して貰ったんだけど、それを確認してから最初の予定を変更する事にした。
今回許可を出して貰うのは、『魔法薬工房』と『魔法具工房』を2軒ずつ。
これは錬金術工房と謳っておきながら、『魔法薬』か『魔法具』のどちらかしか扱っていない工房ばかりだったせいだ。
出店するのにあたって、紛らわしいので『錬金術工房』からそれぞれの専門とする物の工房と名乗って貰う事も条件に入れておく事にする。
「確かに、魔法薬しか売って無いところに魔法具を買いに行くっていう羽目にならないのはいいな。」
「お客さんが住民だけならともかく、ここは探索者なんかの方がお客さんとしては多いからねぇ。」
工房の名称を指定する事に関しては、思いの外すんなりと納得された。
理由としては、もう一つ。
工房の名称をいじるのを拒否する相手だと、厄介事を引き起こす確率が高そうに思えるからと言うのもあったりする。すんなり変更してくれる人でも、厄介事は起こすかもしれないけど確率的には少しは低いかな?と思うんだよね。
正直に言おう。
王都代表みたいな人が来るのはもう勘弁して下さい。
とりあえず、条件も決めたので後の出店許可を出す工房の選定はトーラスさんのお仕事になる。
良い人に来て貰える事を切実に願いたい。
猫神様、よろしくお願いします!!!
商工会が終ると、わずか3日後には出店してくる工房が決定された。
出店してくるのは錬金術工房が1軒に、魔法薬工房と魔法具工房が各1軒づつ。
錬金術工房は、今年スフィーダの魔法学院を卒業する予定の人が共同で運営する予定らしい。
若手が増えるというのは良い事だ。
魔法具工房は知らない人だったけれど、魔法薬工房の工房主はなんとツアーに参加した人。
工房は私達の時と違って、既に建て終わっているものなんかはないので今から建設する事になるので、実際にお店が稼働し始めるのは…2ヶ月後位かもしれない。
もうすぐ冬だから、雪とかが降ると工事も遅れそうだよね。
エルドランは雪が結構深い方だったけど、この辺りはどうなんだろう?
グラムナードの冬は雪が降る事は無いから、冬場はなんとなく物足りないものがあったから少しだけ楽しみだ。
あんまり積もらないでくれる方が嬉しいけど…、でも雪が降ってくるのはいくら見ていても飽きないんだよね。ずーっと眺めてて、風邪をひいたのは今となっては笑い話だけど。
アトモス村に来てから、気が付けばあっという間に8か月。
あと3カ月で年が変わるんだと思うと驚きの早さだ。
私はお店の前の掃き掃除をしながら、すっかり見慣れた町並みを見渡して目を細めた。




