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1日目 お夕飯

アッシェ:新工房の調薬担当(予定)。ちょっと変わった多眼族の女の子。

ポッシェ:新工房の採集担当(予定)。女の子が大好きなクマ耳族の男の子。

コンカッセ:新工房の魔法具担当(予定)。いつも眠そうなマイペースさんの丸耳族の女の子。

スルト:リエラの幼馴染のネコ耳族。ルナちゃんと結婚した。

ルナ:リエラの友達。スルトをきっちり捕まえた。

アスラーダ:みんなの『お父さん』面倒見が良くて優しい。

 正面の扉の中は想像通り食堂だった。

30人位はゆったりと食事ができる広さで、7人しかいないこの集団には随分と広い。

置かれているのは円卓だから、それを一つ使えば丁度良いかな。

ルナちゃんも同じ様な判断だったらしくて、スルトとポッシェに使わない円卓を右の壁際に寄せる様に指示していた。

正面と右の壁には大きなカーテンが掛かっているから、どうやら窓があるらしいけどもうすぐ夜になって冷え始めるからそのままにしてアッシェの声のする左の方に向かう事にした。

コンカッセの姿が見えないものの、食堂に入るのは見えたから大丈夫だろうと気にしない事にする。


 左の壁には、衝立で分かり辛くされた小さな扉があった。

そこから中を覗き込むと、大きな台所になっていてアッシェがアスラーダさんに指示をしながら、調理台の上に食材をせっせと並べているところだった。


「手伝うよ。」

「ありがとですー!」


 肉組の買ってきたのは、シカ肉3.5kg・分厚いハムステーキ7枚・薄切りベーコン35枚。


「シカ肉多すぎだねぇ…。」

「ポッシェだな。」

「マチガイナイ。」

「ハムとシカ、どっちから食べる?」

「ハムステーキをメインにして、シカは煮込むです。」

「次は野菜だね。」


 野菜組が買ってきたのは、木イチゴ・カブ・ニンジン・じゃがいも・玉ねぎ・きのこ・キャベツと香草各種に赤ワインと調味料。

男子組と違って、アッシェが『収納』を使えるからこっそりと荷物を纏めてきてたらしい。

通りで野菜組の荷物が殆どないと思ったよ。


「結構、野菜組も買ったねー。」

「肉組が、がっつりしたのを買いそうだったから何にでも合わせられるのを選んだですよ。」

「パンもあるし、これだけあれば十分だね。」

「夜のメニューは、ハムステーキとポトフにするです。」

「了解。じゃ、野菜切るの手伝うね。」

「お願いするです―。」

「ポッシェが、『鹿のステーキ!!!』とかと騒ぎそうだな。」

「その時はご飯抜きなのです☆」


 3人でそんな事を話しながらせっせと食事の支度にとりかかる。

途中でルナちゃんが合流してきたところで、アスラーダさんがスルトとポッシェと一緒に2階に上がって行った。ベッドの用意をしてくれるそうで、めちゃくちゃ助かる。

馬車に乗って7日も旅をしたんだもん、みんなも結構疲れてるに違いない。

少なくとも、リエラは大分へろへろです。今すぐにでも寝たい位だ。

 鹿の煮込みから美味しそうな匂いが立ち上ってくると、アッシェから『保温』を掛ける様に頼まれた。

この状態で朝まで保温すると、良い感じにお肉が柔らかくなって味が染みるらしい。

明日のお昼御飯にする予定だそうだから、出来上がりがとても楽しみだ。

 そうこうするうちに、ポトフの方からもふんわりと食欲をそそる匂いがし始める。

視線を感じて、チラリと食堂とつなぐドアの方を見ると、スルトとポッシェが身を乗り出す様にしてこちらを食い入るように見つめてた。

ポッシェ、涎垂れてるよ?

 

「ポトフはこんなものです?」


 そう言って、アッシェが差し出した小皿から少し味見をしてみると、野菜の優しい甘みが溶けだした温かいスープが体に染みわたる。


「アッシェ、凄く美味しいよ!『保温』して、あっちに持って行かせとく?」

「お願いするです―。」


 アッシェに了解を取ってからスルトを呼んでポトフのお鍋を食堂に運ばせた。

アッシェはもう、ハムステーキを焼きながら付け合わせのカブとニンジンのローストも用意してる。

それを確認してから、パンを軽く『加熱』して食べやすい厚さにスライスすると、カゴに入れてポッシェに運ばせた。

 次のお仕事は、お皿をほんのり温かくなる程度に『加熱』してから『保温』で上に乗る食材が冷めないようにする事だ。ハムステーキもポトフも冷めちゃったら、美味しさ半減だからね。

アッシェも心得たもので、用意したお皿に手際よく料理を載せて行く。

お腹が空いているポッシェは、運んでもらおうと呼ぶ前にもうやってきてせっせと料理を持ち去った。

最後の1枚を焼き終わったところで火を消して食堂に向かうと、赤々と燃える暖炉の前に円卓が移動されていて、みんな席についてお行儀よく待っていた。

すでにポトフも用意されていて、アッシェと二人、自分のハムステーキを置いて座るだけで夕飯が食べれる状態だ。

もってきたハムステーキを置いて自分の席につくと食事の前の挨拶をした。


「みんな、ここまでお疲れ様でした。

明日から1週間の間、この町を拠点にできるかを見極める為の時間にしたいと思います。

今日はとりあえず、思い切り食べて休んで、明日からの英気を養う事にしましょう。

では、今日この日も美味しいご飯を食べられる事を猫神様に感謝をささげて…」

「「「「「いただきます!」」」」」

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