1日目 中流向け市場
アッシェ:新工房の調薬担当(予定)。ちょっと変わった多眼族の女の子。
ポッシェ:新工房の採集担当(予定)。女の子が大好きなクマ耳族の男の子。
コンカッセ:新工房の魔法具担当(予定)。いつも眠そうなマイペースさんの丸耳族の女の子。
スルト:リエラの幼馴染のネコ耳族。ルナちゃんと結婚した。
ルナ:リエラの友達。スルトをきっちり捕まえた。
アスラーダ:みんなの『お父さん』面倒見が良くて優しい。
ブックマーク1000突破しました!
そして、日間ハイファンタジー部門2日連続4位…!
皆様本当にありがとうございます。
2016/11/19 誤字の修正を行いました。
補足を兼ねて文章の追加を行いました。
追加部分)小人族と間違われる事もあるからそのせいかなと思いつつも、アスラーダさんが
市場は、それ専用の区画が設けられてるらしく、駅馬車を降りたところから一番近いと言う場所にみんなで向かった。
辿り着いてみると、思っていたよりも広い場所なのにもかかわらず、色とりどりのタープが所狭しと並べられているせいで実際よりも狭く見えた。
客層は服装を見た感じ、特に貧しくもなく、かといって裕福すぎもしない…と言うところかな。
「緑が葉物野菜。青が根菜。黄色が果物。赤が肉。白はパン屋だな。」
「わかったですー。」
「ラー兄、他に注意点は?」
「スリもまぎれてるから、財布には気を付ける様に。位だな。」
「りょーかーいですー。」
「リエラん、どれ位買っておく?」
「んー…。明日の昼までの分で。」
「オッケー。じゃ、男組!肉の買い出しよろしく!お金は後でリエラんに請求する方向で。」
「ほい。ポッシェ、安くて美味いの探すか!」
「ういっす!」
「じゃ、アッシェとコンカッセは私と一緒にお肉以外をみるよー!」
アスラーダさんのざっくりとした説明を元に、ルナちゃんがあっというまに場を取り仕切って買い出しの役割分担を取り決めた。
こう言う時の、ルナちゃんは実に頼もしい。
「って事は、私とアスラーダさんはパンを確保だね。」
「リエラん、よろしくー!」
「はいはーい。じゃ、アスラーダさん行きましょか。」
アスラーダさんと手を繋いで白いタープを見て回っていると、あちこちから「奥さん」と声が掛かる。
小人族と間違われる事もあるからそのせいかなと思いつつも、アスラーダさんが不快そうな顔をしてないかと、チラリと見上げると目があったので首を傾げて無言で問いかけてみた。
「嫌か?」
「アスラーダさんは?」
「別に。」
「ならいいや。」
答えは意訳すると『気にならない』。
なら、いいやと言う事でその後は笑って流して、一番美味しそうに見えたお店のパンを両手いっぱいに購入。アスラーダさんと半分づつ抱えてみんなが待っているだろうと思われる、市場の入り口に戻った。
まだ誰も戻っていなかったから、全員が戻るまでの間少しだけアスラーダさんとお話しをした。
ここのところ、他のみんなが常に一緒だったから二人で話す機会が少なかったので、なんだか少し照れくさい。
「アスラーダさんの家って、アレですよね?」
「ん?」
「いわゆる貴族街にあるってヤツですよね。」
「ああ。王都に来た時用の別荘だな。」
アスラーダさんは、何気なくグラムナードの次期領主様だから、そうかなーとは思ってたんだけどね。
やっぱり、貴族街にある豪華邸宅とかそういう類のものらしい。
「やっぱり、一人5000ミルは安すぎだと思います。」
「……そこは後で話す事にした方がいいな。」
アスラーダさんの視線の先には、ポッシェが満面に笑みを浮かべて大きな包みを抱えている姿。
横を歩くスルトも、ポッシェよりは小さいものの、それなりにかさばる包みを持っている。
「あいつら、どんだけ食う気なんだ…。」
「うわぁ…。買いすぎ…。」
アスラーダさんと二人でドン引きする中、こっちに気付いたポッシェがそれはもう幸せそうな顔で手を振ってきた。
ポッシェ:お、これ美味そう!
スルト:これ食いたいなー…。
ポッシェ:スルト、どうしよう?
スルト:…買っちゃうか!
ポッシェ:おっちゃん、この肉4キロ!!!
スルト:ベーコン薄切り35枚に、ハムステーキ7枚!
ポッシェ・スルト:これで、明日の昼まで肉が食える!!!