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7日目 アトモス村6

アッシェ:新工房の調薬担当(予定)。ちょっと変わった多眼族の女の子。

コンカッセ:新工房の魔法具担当(予定)。いつも眠そうなマイペースさんの丸耳族の女の子。

アスラーダ:王都以外に拠点を構える事になってなんだか嬉しそう。

トーラス:アトモス村の村長。熊人。


2016/12/12 一部加筆しました。

2017/6/11 加筆・修正を行いました。

 結論として、この村に拠点を作る事が決定した。

決め手になるポイントが複数あったのがなんとも素晴らしい。

その内の二つは、ここでしかもたらされる事がないので、他との比較は必要なくなった。

そんな訳で、今は村側との折衝の最中になる。


「あんたらが錬金術師と、その弟子だと言うのはまぁ、分かった。」


 そう口にしながらも、トーラスさんは困惑した様子で頭をガリガリと掻く。


「ただ、この村に店を構えたいと言うのは……。」

「難しいですか?」

「いや、ありがたい。ただ、他にもっといい場所があるんじゃないかと思うだけだ。」


 そう言って、腕を組むと天井を睨みつけた。


「この村にあるのは、命の危険と大自然だけだ。」

「大森林は確かに危険。」

「近いから、昨日みたいな事もまたあるですねー。」

「薬は作れば作る程売れまくる筈。」

「がっぽがぽですー♪」


 真面目な顔で天井を睨んでたトーラスさんは、二人のセリフに椅子から転げ落ちた。


「ちょ、まて。ウチの村の連中に、昨日みたいな薬を買う様な蓄えは無いぞ?!」

「『高速治療薬』は高いですからねー。」


 トーラスさんの納得のいく言葉に、うんうんとアッシェが同意する。

それを見る彼の目が恨みがましいものに変わっていく。

二人に任せておくと引っ掻き回すだけなのを痛感して、ため息をつきそうになるのをこらえつつ口を挟む事にした。

ちょっと、おふざけが過ぎるから後で叱っておいた方が良さそうだなぁ……。


「実は、私達は最近グラムナードで取り扱いを始めた魔法薬も扱う予定なんですよ。」

「……最近出回り始めた、魔法薬?」

「今までの魔法薬とは違って、民間で傷の手当てに使われているような素材から作るものです。」

「そんなものが……?」

「効き目は、トーラスさんが一番ご存じの筈ですよ。」


 疑問の言葉を口にしたものの、興味は惹けたらしい。

興味を惹いたついでに、トーラスさんの怪我にその薬を使った事を匂わせておく。

丁度、彼の傷が新薬で治せる上限だったからさり気なく使わせて貰っちゃったんだよね。


「あの時の薬か……。」

「はい。その材料に、この村の周りに沢山自生してる薬草を使うので、私達にとってはトーラスさんの言うところの『大自然』が重要なんですよ。」

「なるほどな……。それなら、こっちとしても願ってもない話なんだが、本当にいいのか?」

「是非。」


 そう。今回のお仕事で、私は新しい治療薬をメインに取り扱う事にしてる。

原料の件については、ラヴィーナさんに聞く前にちょっと予想はしてたんだよね。

 なので、今はグラムナードでセリスさんに、迷宮以外の各地で採れる民間治療に使われる素材を使っての魔法薬の開発をお願いしている。その為に、エリザをセリスさんのところに置いてくる事になったのはちょっと痛いところだったけど仕方ない。

セリスさんは「どこでも採れるんじゃないかしら?」と言ってたんだけど、彼女はグラムナードから出た事がないらしいので、そのご意見はちょっと怪しいかもとは思ってた。


 今回の話がでる以前に、スルトから『高速治療薬』の効果について聞いた時から不思議に思ってた事でもあったんだけど、内臓がはみ出てたり腕が千切れていたり、そんな状態の物を治せる程のものしか魔法薬に存在していないのは明らかにおかしいと痛感した。

実際、数段効果の落ちる新薬でトーラスさんの怪我は問題なく治ってるしね。

 私の中での最終結論としては、『高速治療薬』はもっと重症の時だけに使えればいいんじゃないかなってところだ。

ぶっちゃけ、品質がグラムナードと同じなら、値段は王都の価格でもいいかなと思う。

まだ、ラヴィーナさんには言わないけどね。

それに、迷宮を開いて素材の流通が増えれば自然と半分位までは落ちるんじゃないかなというのが予想だったりもする。

当座は、王都の値段の1割引きの9000ミルで販売しようかと思ってる。

ただし、大口販売はお断りの方向で。

お一人様5本制限あたりにするかもう少し増やすかは悩みどころ。



 それにしても今回、このアトモス村の近郊で、既に実用化出来る様になっている新薬の素材が沢山自生していたのは、本当に運が良かったと思う。

新薬の素材+αが生えてるからね。

他にも有用なお薬が作れるかもしれないと思うと、それだけでもなんだか楽しくなってくる。



「では、昨日の謝礼の件ですが……。」


 そう言って、私が出した希望はこの2件。


その1

工房兼店舗として使える物件。

従業員の住居として使える物件。


その2

湖へ降りた場所での薬草の栽培許可。



 結果としては、雑貨屋さんを誘致できた時に使う予定だった店舗を報酬として貰う事ができて、住居は空き家を別口で購入させて貰える事になった。

薬草の栽培は自由にしていいらしい。

個室の関係で2軒の購入になったのはちょっと痛いけど、隣り合ってるので後で一つの建物になる様に増築するのも手かもしれない。

それに、住宅2軒で100万ミルというのは、結構破格だとおもう。

工房兼店舗は無料にして貰ってしまったしいいのかなぁ…。

建材も、人件費も首都から離れてるとは言えただじゃないんだから。




現在の資金


9.107.000ミル → 8.107.000ミル


増えた資産


従業員用の住宅(個室4部屋) 2棟

工房兼店舗

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