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7日目 アトモス村4

アッシェ:新工房の調薬担当(予定)。ちょっと変わった多眼族の女の子。

コンカッセ:新工房の魔法具担当(予定)。いつも眠そうなマイペースさんの丸耳族の女の子。

アスラーダ:王都以外に拠点を構える事になってなんだか嬉しそう。

トーラス:アトモス村の村長。熊人。

ミーシャ:村長の奥さん。可愛い兎耳族。


2016/12/10 誤字の修正を行いました。

 村の中央に設けられた広場で、死者との別れが行われていた。

今日の魔獣の襲撃により喪われた3名のもので、広場の中央には彼等の亡骸が収められた棺が置かれていて、村人達が最後の別れを告げている。

明日の夜が明けたら墓地として使っている場所に埋葬するそうだ。

棺の前から最後の一人が離れると、弔いの宴に移行する。

 私達は村長であるトーラスさんとミーシャさん夫妻の側で同席させてもらう事になった。

村の人間は見張り役の物を除いて全員この場に居るからというのと、今日の助勢に対するお礼の意味もあるそうだ。コンカッセがぽつりと「別にやるべき」と聞こえないように呟いてたけど、小さな村の財政状態を想像すると、それを求めるのは酷なんじゃないかと思う。


「…喪われた彼らの命を無駄にしないよう、明日への英気を養ってくれ。」


 ぼんやりと考えごとをしている間に、トーラスさんの演説が終わってた。

棺から少し離れた場所に簡易的な竈が作られていて、その上に鉄板が置かれて肉が焼かれ始める。

ミーシャさんが耳打ちしてくれたところによると、今日、襲って来ていた魔獣を捌いたものらしい。

亡くなった人に対して、その命を奪ったものをみんなで食べる事によって、彼らの命を受け継いでいくという意味もあるらしい。

肉の焼ける匂いが辺りに広がる中、カゴを持った女性がカゴの中の物を配って歩く。


「ウチの男衆を助けてくれたんだってね。ありがとう。」


 彼女からお礼の言葉とともに渡されたものは、朝に焼かれたものだと思われるパンだった。

彼女が去ると、今度は焼けた肉を盛った皿を狐人の男性が目の前に置いて行く。

それを皮切りに、村の男の人達が次々と宴の食事をもってきてくれた。


「あんたらが来なかったら…助かった。」

「さっきはありがとな。お陰で命拾いした!」


 料理や飲み物を持ってきた人達はそれぞれが、お礼の言葉を口にしていく。

それに応じながら、横目で他の3人を見てみると、アスラーダさんは何でもない様に、アッシェは嬉しげに、コンカッセは誇らしげに対応していた。

同じ事に対する対応も、それぞれに違っていてなんだかおかしい。

 大分夜も更けて来ていて、なんだか眠い。

隣に座っているアスラーダさんの方に寄り掛かってうとうとしていると、炎麗ちゃんが戻って来てご飯をねだる声が聞こえて、そこでその日の記憶は途切れた。



 

 翌日起き出した頃には、思ったよりも日が高く昇っていて、日が昇ったら行われると聞いていた埋葬も終ったと、身支度を整え終ったところにやってきたミーシャさんに告げられた。


「リエラさん達はお客様ですから。」


 なんだか不義理をした様な気分で謝ると、そう返された。

そういえば、ここに住んでる訳じゃなかったなとその言葉に納得する。

たまたま、その人が無くなる原因になった件に関わっただけと言われればその通りだった。

 そして、朝食の席につくと、またミーシャさんが出店してほしいと言う話をし始めたものの、トーラスさんから制止の声が上がって、食後に改めてお話をする事になった。

 で、今は村の代表者3名と一緒にテーブルを囲む事になってる。


「まずは、改めて。昨日の助勢及び、治療行為に対して礼を言わせてほしい。」


 トーラスさんのその言葉とともに、村の代表者全員が立ち上がって頭を下げた。

こちらが、それに対して受け入れる反応を返すと椅子に座り直して、居住まいを正した。


「それで、謝礼についてなんだが…。正直なところ、施して貰った治療に対しての正当な報酬というのが見当もつかない。見ての通りの小さな村のことだ、満足して貰えるほどの謝礼を渡せるかは疑問ではあるんだが…。」


 少し言い淀んでから彼は「希望する謝礼を提示してほしい」と言って頭を下げた。


うん。

謝礼とか全然考えてなかったし、相場とかまるでわからないんだけど…。

どうしたらいいんだろう?


 アッシェとコンカッセに視線を向けると、二人も揃って首を傾げた。

さて。どうしたもんだろう。

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