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2日目 報告会-探索者組

アッシェ:新工房の調薬担当(予定)。ちょっと変わった多眼族の女の子。

ポッシェ:新工房の採集担当(予定)。女の子が大好きなクマ耳族の男の子。

コンカッセ:新工房の魔法具担当(予定)。いつも眠そうなマイペースさんの丸耳族の女の子。

スルト:リエラの幼馴染のネコ耳族。ルナちゃんと結構お熱い感じ。

ルナ:リエラの友達。スルトにラブラブ。

アスラーダ:王都育ちのはずなのに、なんだか居心地が悪そうに見える。


2016/11/29 誤字の修正をしました

 一旦、工房組の報告を終了する事にして、探索者組の報告を聞く事にする。

ラヴィーナさんが来て話して行った、細かい依頼内容を話すのは最後にした方が良い。


「工房組の報告は一旦ここまでだね。探索者組の方の報告をお願いします。」


 そう言って、ルナちゃん・スルト・ポッシェに視線を向けると、ポッシェが真っ先に口を開いた。


「今日は探索者協会に行ったんだけどさ。グラムナードと同じ感じだろうと思ってたら全然違ったよ。」

「具体的には、依頼の種類がひどく少ないってところ。」


 ポッシェが両手を振りまわしながら言うのに、スルトが補足を被せた。

うん。ポッシェだときっとちゃんと説明できないよねと思いながら、スルトを見る。

自分に視線が向いたのを確認すると、彼は続きを口にしてくれた。


「あるのは、駅馬車と商人の護衛系・食肉調達各種・害獣退治。その3種類だった。」

「それは少ないのです?」


 アッシェが不思議そうに首を傾げる。


「グラムナードだと、それに採集関連の依頼があるけど、その類が一切無い。」

「あやや。」

「魔法薬の原料が自生してないせい?」


 採集関連が軒並みないのか。

隣に座っているアスラーダさんを見ると、首を横に振られた。

彼の知らない話らしい。


「魔法薬の原料が自生してないって?」

「それは最後に話すね。食肉調達と害獣退治の内訳は?」


 コンカッセの呟きにいぶかしげな顔をしたスルトを取り敢えず黙らせて続きを促した。


「今日、行ってきたのは東の草原地帯の方だったんだけど、そっち方面は水牛・ウサギ・走り鳥の食肉調達・害獣退治がメイン。行ってないけど、北の森だと鹿かキジの食肉調達。害獣退治はオオカミね。

西はあんまり依頼がなかったけど、魔獣退治の依頼が放置されていたわ。

種類は少ないけど、それぞれの依頼に対する上限がないのが特徴かも。」

「食肉調達だったら、獲ったら獲っただけ協会で買い取りしてくれる感じだな。」

「でも、今日はみんな1種類づつ持って帰って来たんだよ!だから、アッシェが料理してくれるのが楽しみなんだ。」


 ルナちゃんが主になる報告をしてくれて、スルトがその補足をしてくれた。

ポッシェの発言は正直どうでもいいかな…。

こっちでの活動が軌道に乗った時に、ちゃんとやっていけるのかが激しく不安になる発言なのだけが気にかかるよ…。


「大まかなところだとそんな感じだけど。リエラんの方はまだなにかあるんでしょ?」


 そう問われ、帰って来てからラヴィーナさんと話した内容を、探索者組の3人に説明した。

聞き終わったところで、ルナちゃんが天を仰ぎながら呟いた言葉は、言いたかったけど口に出し辛かった言葉そのものだった。


「どう考えても、おばさまの意向に沿うように誘導されてる様にしか思えないわ。」


 口にしてからため息をついて、ルナちゃんはリエラの方をじっと見つめた。


「実際にリエラんが見てから判断した方がいいかと思って黙ってたんだけど、今日ね、不動産屋も見てきたの。工房として利用できる物件のね。」


 一旦言葉を切って深呼吸してから言葉を続ける。


「結論としては、王都に工房を持つのは、現状では無理だと思う。工房としてしか使えない物件ですら、一月100万ミル越えるのよ。」

「高い…。」

「下町的なところとかはどうなのです?」

「今言ったのは、王都全体での最低価格なのよ。」

「おおう…。」


 計算するまでもなく、初期の予算では王都で工房を開いた場合、収入がなければ二月しか従業員への支払いが出来ない。大体、家賃や食費を考えないですらも月に人件費で300万ミル掛かると言う元々ひどい条件なんだから。


「…最初から、王都近郊の村を拠点にさせるつもりだと言う事なんだろうから仕方ないね。」

「都会っ子にちょっと憧れてたので残念ですぅ…。」

「グラムナードの方が生活環境は上。」

「トイレとか、王都も汲み取り式だったもんねー。」

「その辺の施設は、きちんとみんなが満足できるものを用意できるから、今日は、拠点に良さそうな村の辺りを付けてから解散にしよう。」


 その言葉に、思い思いに話し始めたところでかじ取りをし直した。

その日は周辺地図を取り出して、アスラーダさんの意見と突き合わせながら候補地を話しあった。

解散する頃には、くたくただったけど、まぁ妥当そうな場所を決められた事だし実りある1日だったといえるんじゃないかな。

 明日は、久しぶりにアスラーダさんと『素材回収所』に行く約束になってる。

その時に、きっちりとあれこれ聞いてやる事にして布団に潜り込んだ。


セリスさんは元気にしてるかなぁ…。おやすみなさい。

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