妖精さんのお散歩♪
原作 魔女の天下取り http://ncode.syosetu.com/n3106bt/
西暦203✖年 冬 正午過ぎ。
わたしはさいきん出来た、ともだちのところにお散歩しながら向かってま~す♪
出来るだけ、植え込みや物陰に隠れながら~地面スレスレを飛行中~♪
そう! わたしは食べてお空を飛ぶのが、おしごとの妖精です♪
今のところ、わたしに気付いたのは、野良猫達くらいかな?
夏場なら、偶然にもわたしの姉と、同じ名前の渡り鳥の燕を従えて、近づけさせないのに~むむむ
最近野良猫どもは、何やらわたしを集団で、狙ってきます(  ̄っ ̄)ムゥ
やつらの会話からするに、何やらわたしを一番初めに、咥えた猫が次のボス猫みたい。
全く迷惑な話ですよ~(○`ε´○)
さて、わたしの居るここは十数年前まで、非常に平和だった島国です。(*´∀`*)
この国では、せんきょ? とやらでえらい人間さんを選ぶ、みんしゅせいど? と言われる制度を採用していたけど、結局うまくいかなったみたい。(´・ω・`)
そんなわけで、この島国は、わたしの里みたいに、なわばりの一部が取られてしまいました。(´;ω;`)
いっぱい、人間さんも死にましたが、この島国の人間さんはなんとか、みんな、がんばっているみたいです。
それは周りの人間さんを見ていて、よくわかります。
だってみんな、鉄砲持って『ヒャッハー!』とか、『逃げるなクソガキぃいい!』とか大声で叫びつつ、車で毎日駆けながら、スラム街で頑張ってるんだもん!
いい加減、わたしの世界で長く続いている。
美人なお姫様のいる王国みたいに、賢い王様を決めればいいのに。
(´・ω・`)
まだ、その失敗した、みんしゅせいどを懲りずにやっています。
この国の人間さんは、お馬鹿なんでしょうか(´・ω・`)?
知り合いの魔女のエルーナに、そこんところ、どうなのかと聞いたら……
『この国には、皇帝様もいるし、色々と複雑なのよ。決して、みんな馬鹿じゃないの……不器用なだけよ』
などと、言っていました。
結局、それって遠まわしに馬鹿っていっているよね(´-ω-`)エルーナ?
複雑なら、妖精のわたしにも分かるように~せつめいしてくれよ。
だから、部下の鬼頭くんに避けられんじゃないか?
さて、今ではこの島国。
世界のかやくこ? と呼ばれものすごく有名みたいです。ヽ(´▽`)/
だから、世界中から色んな人間さんが、いっぱい来るみたい。
ある人間さんは、海の中からウォーターゴブリンの様に、シュコーシュコーと、息を吐きながら集団で上陸したり、また、ある人間さん達は空からデカイ布切れを広げて、がんばって枝に引っかかったりして、大変みたい。
わたしが、お散歩中に目撃した、それらの光景を居候している家の人間さんの、矢島さんに伝えると。
『あちゃ~また、掃除しないといけないね~』
などと、笑いながら言っていました。
矢島さんは、お兄さんの後を継いで、にーと? とかいう鉄砲を撃つのが大好きな人を、いっぱい集めたギルドのしゃちょさんです!
こちらでは、会社っていうみたい♪
この島国の人間さんは、なわばりを取られて、大変みたいだけど。
わたしの周りの人間さんは、ホントにみんな元気です~♪
でも今から向かう、わたしのおっきいおともだちは、少し……心配です。
平和だった頃を知っている、野宿のプロになった、おじいちゃんだからです。
以前はしぇるたー? とかいう洞窟に隠れていたけど雪が見たくなったから、お外に出てきたみたい♪
偶々、通りかかった私とは、すっかりお友達です♪
あっ! ヒュ~ン♪
「おじいちゃん♪ 生きてるね~♪」
「おお、アゲハちゃん~まだお迎えは、来てないよ~」
おじいちゃんは、まだ生きていました♪
おじいちゃんの足元には、毛の生えた四本足のオークが、頭に斧がブッ刺さって、倒れています。
この毛むくじゃらなオークは、イノシシって言うみたいです。
私の里を襲撃した……(´;ω;`)
野蛮なオークと違い、ブヒブヒ鳴く単なる獣だけど。
ゴクリ……
「どうだいアゲハちゃん、ぼたん鍋食べていくかい」
「うん!」
イノシシは味付け次第で、甘く美味しいお肉です♪
今年の冬は、ぼたん鍋の作り方を覚えて、私の里を占領したオークの駆除へ向けて、食べながら学んで、力を蓄え頑張ります♪
「おじいちゃん! 砂糖は多めでね!」
「はいはい、分かったよ。でも……糖尿病になりたくね~なぁ」