席替え
「せんせーい! そろそろ席替えしたいです!」
「あー! わたしもー!」
朝のホームルームで飛び交う生徒たちの声。
「よし、じゃああみだくじ作ってくるから、席替えは今日の五限目のLHRでなっ」
◆
「はい、じゃあ、順番の名前書いていってくれ」
そういえば、二学期に入ってから席替えしてなかったなぁ・・・
みんな仲がいいもんだから、このままでもいいような気もするけど。
「あれ・・・? 先生、」
「どうした?」
「一つ多いですよ?」
「え・・・?」
そんなはずは・・・
ちゃんと数だって確かめたのに・・・
「どれどれ・・・いち、に、さん・・・・・、ちゃんと四十人いるぞ?」
・・・・・・
急に訪れる沈黙。
皆の顔は唖然としていた。
「先生、うちのクラスは三十九人ですよ?」
え・・・!?
三十九人・・・!?
たしかに四十人だってような記憶が・・・・・
「あ、もしかして先生、自分の分までいれちゃったんじゃないですかぁ?」
「・・・え?・・・」
「先生、おっちょこちょいですねぇ。新婚さんだからなんじゃないのぉ?」
「・・・ははは、ちょっともう一回作り直してくるわっ」
違う!
そうじゃない!
席替えで自分の数まで入れる馬鹿な教師がどこにいるというのだ・・・
俺は本気で、四十人だとばかり思っていた。