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水野の想い
私は念願叶って、この高校に入学することが出来た。
それも、あの先生がこのクラスの担任というのが分かった時、
本気で”運命”だと思った。
そう信じた。
日が過ぎるのにつれて、私の心は先生で埋まっていた。
好きで、好きで、好きで、どうしようもなくて。
でも、それと同時に分かってきたこともある。
この恋は報われない。
教師と生徒の恋愛なんて、たかが知れている。
どういう結末になるのかなんて、予想しなくても分かる。
ちょっと考えただけで、絶望的な未来が待っているなんて、誰でも知っている。
でも、それ以上に絶望的なのは、いつも私(生徒)じゃない誰かをずっと見つめていること。
そんなの、高校生にもなればすぐにわかる。
ただ、気づきたくなかっただけ。
そんな私の片思いにも、ついに終わりがくるときがやってきた。
今まで目をそらしていたことも今回は認めざるを得ない状況に陥った。
『佐城先生が、高野先生に告白したって!』




