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endless battle  作者:
33/69

第33話 『ラング』


 一行は日本へと帰ってきた。ユキも連れて楓の家に入ろうとしていた。鍵を開けるため、ドアノブに手をかける。

「・・・・・・あれ?」

 しかし何故だか鍵が開いている。恐る恐るドアを開けてみる。中は電気も付いていない。

「なん・・・なんで・・・?」

「お前鍵掛け忘れたんじゃねぇの?」

「違うよ。ちゃんと掛け・・・」

 その時、中で何かが動いた。それを見た瞬間、楓は固まった。彼女はホラー系が大嫌いなのだ。だが、中から出てきたのはホラーでもなんでもない、笑顔の称狼だった。

「称狼!」

「あー称狼様やッ!」

「楓、大丈夫か?」

 みんな一斉に別々の言葉を発した。楓は固まった名残とショックで言葉が出てこなかった。

「おかえり」

 満面の笑みで皆に手を振る。やっと喋れるようになった楓は、驚きの顔で当たり前な質問をした。

「アンタどうやって入ったわけ?」

「フッ・・・。凋婪(ちょうらん)さん、俺をナメちゃいけませんよ」

「や、ナメるとかそういう問題じゃないし。しかもその名前嫌なん・・・」

「凋婪?凋婪ってなんだ?お前の名前か?」

 ファングが口を挟んだ。楓はファングを見ると、「中国での名前」と言った。それはファングの興奮を更に引き立てるものとなった。

「中国での?じゃあじゃあ拓羅が「菁氾(せいはん)」ってゆうんだな?」

「ああ」

 今度は拓羅が言った。ファングは「へぇー!」と言い、それ以上は何も言わなくなった。そして称狼が続ける。

「まあ、鍵開けを身につけた、と言う事で」

「ちょちょちょちょっちょっと待て!そうゆうのが一番困る!すっごい困る!本当に困る!っていうか人の話聞け!」

「実は管理人にマスターキーを借りたんです」

「聞けっちゅうに」

 小声でそう言って、楓は続けた。

「まあマスターキーを借りるとはなかなか考えたもん・・・・・・・・・・・・って・・・んな簡単に渡していいのか・・・?」

「ダメですね!」

「ダメじゃん!管理人もアンタも!よくもそんな平然と言えたもんね!」

「でも貸してくださいって言ったらすんなり貸してくれましたよ。「今出かけてるしね」って」

「出かけてるから貸すって・・・じゃあ鍵掛ける意味ないじゃないのよ。鍵も必要ないし管理人も必要ないなぁ・・・」

「あ、今有り得ない事言いましたね!そんな事言っちゃ管理人さんが可哀相・・・」

「有り得ないのはアンタの行動だろがっ!」

「んまあそんなカッカしなーい」

「・・・っつかなんで鍵借りてまで人の家に上がりこむんですかー。その辺の理由がわかんないんですけどー」

「決まってるじゃないですか。凋婪さんに会いたかったからですよ」

 称狼はニッコリと笑った。

「称狼ったらかーわいー」

 と言って、楓は笑いながら称狼の腹に重いパンチを入れた。

「なっ・・・何すんですかっ・・・」

「こないだの仕返し。鳩尾に一発入れたでしょ」

「・・・まだ覚えてたんですか・・・・・・」

「これでおあいこ!さー中入ろー」

「いってぇ・・・ちょっと凋婪さんッ!」

 腹を押さえながら称狼も中に入った。



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