第17話 『憧れの修学旅行!−ファングもついてくぞ−』7
ハッとしてすぐに走り出し、バスのある車道へ出た。丁度楓も今着いたようだ。あちらも結構傷を負っている。
「楓!・・・大丈夫か!?」
「うん・・・っていうか・・・タク自分の心配しなよ」
楓は血の出る腕をおさえながら、いつもの呆れた顔で笑う。
「こんなん大丈夫だ!・・・やっと終わったなっ!」
「・・・・・・・・・ん・・・?待って・・・なんか忘れてない・・・?」
「え?」
「あのね・・・えーーーっと・・・なんだっけ・・・・・・・・・あっ!」
「・・・あぁっ!」
二人は顔を見合わせ、同時に言った。
「セルヴォッ!」
その名前を口にした瞬間、声がした。あの笑い声だ。
「あはははははははははははははッッ」
楓と拓羅は声の方を振り返る。建物の影にセルヴォは居た。
「よく出来ました!あの蜘蛛を倒すとは中々の腕前じゃあないですかっ!いいですねぇ!あなた方、最高ですよ!!」
そう言って影から姿を現したセルヴォの腕の中には、二人の友人が人質として囚われていた。
「・・・!汚ねェぞテメェッ!」
「大切な大切なお友達を連れたままの私を殺す事ができますか?・・・あははははははッ」
「楓ッ!拓羅くん・・・!助けてよォッ」
セルヴォの腕の中で、友人が叫んでいる。しかしこの状況では助けようがない。だが助けないと、友人らがどうなるかわからない。
そんな中、楓が口を開いた。
「アンタの望みはあたしら殺す事でしょッ?」
「そうですよ」
「だったら友達なんて関係無いじゃん!放してよ」
「いや、最初はそうだったんですけどね?さっきラング様から電話がありまして。あなた方を連れて来い、との事でした。」
突然の変更に、楓も拓羅も瞬きを繰り返した。
「え・・・ちょっ・・・え?・・・えっと・・・じゃああたしらを連れてければいい・・・わけ?」
「そういう事ですね」
「じゃあ・・・あたしらがついて行けば放してくれる、の・・・?」
「はい」
セルヴォは笑顔で頷いた。しかし真正面の楓の表情は真逆だった。
「・・・・・・・・・めっちゃ簡単じゃんかっ!先にゆえや!そーゆー事は!」
「あ、それはスミマセン。・・・それじゃあお友達放しますからこちらに来てください」
二人とも、セルヴォの方へゆっくり歩いていく。しかしどちらもハイハイとついてく気なんて全く無い。拓羅が呟くように言った。
「楓、マジでついてくわけじゃねェだろ?」
「当たり前でしょ」
そしてセルヴォの前に来た。
「さ、あなた方の友人です」
ドンと背中を押され、囚われていた友人は二人に返された。
これでセルヴォを倒せば終わり――――――だが、ここで二人の計算は狂った。




