『一章 吸血鬼』
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天野 輝也は暇をしていた。
何せこうも何事もないとつまらないのである。
ゲームだって単調な行動が続けば飽きてくる、そんな感じだ。
「あーあ、なんか《非日常》でもふりかからねえかな・・・」
どこぞの女子高生でもない限りそんな非日常は来ない。
そんなことを思っていた。
その日の夜、ガンガンと窓を叩く音がする。
今日はそんなに風は強くないはずだ。
恵家は不思議に思い、カーテンを開ける。
「ひっ・・・」
それを見て輝也は悲鳴を上げる。
窓には白い手が張り付き、窓を叩いているのだ。
しかし、恐怖よりその得体の知れないものへの好奇心により輝也は窓を開けた。
するとヒョコ、と下から一人の少女が顔を出す。
「静かに!」
少女はそう言うと窓を乗り越え、部屋に入ってくる。
窓とカーテンを閉め、息を潜める。
輝也はそんな少女をぽかんと見ていた。
羽が背中から生え、服はふりふりなドレスを来ている。
割りと可愛らしい顔つきだ、年齢は・・・中学生と言ったところか?
勝手に分析していると
ピンポーン
自宅のインターホンが押される
「あ・・・いい!?絶対に『いない』って答えてね!?」
ヒソヒソと少女が命令する、何が来たのだろう。
輝也は一応警戒し、玄関を開ける。
そこには身長が高い男がいた。
スーツを来ている、セールスか?
「夜分にすみません。こちらに小さな女の子は来ませんでしたか?」
嫌に低い声で男はいう。
恐らくあの少女だろう。
「いえ、いませんが・・・」
言われた通りに嘘を付く、いや、付かざるを負えない。
男の目には殺意しか宿っていなかった。
「そうですか、失礼しました」
そう言うと男は暗闇へと消えていった
「行ったか・・・」
足が震える、怖かった。
情けないが本音だ。
「ねぇ、行った?」
少女がこっそりと顔を出して聞く。
「ああ、言った、しかしなんなんだ?」
ガチャリ、と玄関の鍵を閉め、リビングの電気を点け、テーブルに座る
「あの男は・・・」
思い切って聞いてみた
「あれは・・・」
少女は暫く悩み
「あの男はヴァンパイアハンター。なの」
ヴァンパイアハンター、それぐらいは知っている、いやそれよりも
「え、だとすると君は吸血鬼?」
少女は頷く
「えっと、ポマード」
「それ違う」しまった間違えた
「何か証拠を・・・まぁその羽は本物っぽいけど・・・」
「じゃ、じゃあ・・・」
少女は目を閉じる。
バサァ!
そのときだ、少女の体が無数のコウモリになり、リビングを飛び回る。
俺が唖然としているとコウモリは椅子の上に集まると少女へと戻った。
「・・・信じてくれた?」
「あ、ああ・・・」
信じるしかないだろう、しかし吸血鬼なんて吸血鬼なんて・・・最高じゃないか!
何を隠そう俺は吸血鬼が大好きだ、ゲームや漫画で見て惚れたが最近は吸血鬼っ娘にもハマっていた。
そしてこの状況、喜ばないでどうする?
「どうしたの?ニヤニヤして」
ついニヤついていたようだ
「いや、何でもない」
すぐに冷静さを装う
「ところでこれからどうするんだ?」
「暫くここに住もうかなー」
「はい?」
「ダメ?」
「いいや!ダメじゃない!全然いいよ!」
「う、うん。ありがと、日の国の人は親切だって噂ほんとだね」
「あ、ああ。日本は初めてか?」
「うん、必死で逃げてたらここに着いたの」
「そうだったのか、大変だったな」
「うん・・・それ、で・・・」
こくり、こくりと船を漕ぎ始めた
そしてカクンと首を下に向けるとそのまま寝たようだ
「そんなに疲れていたのか」
俺は彼女を抱っこするとベッドに寝かせ、自分は床に寝た