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真子はその日のうちに真実の家へと足を運んだ。
家の前で立ち止まり建物全体を見渡すとやはり建物全体にモヤがかかっていた。
「ふーーっ」
真子は一息ついて左手を耳元に持っていき指をパチーーンと鳴らす。
そして目を閉じ、眉間の辺りに指を移動させる。
もう一度パチーーンと指を鳴らした。
指鳴らしとは思えないほどの澄んだ音が広がる。
真子は余韻を残る中、ゆっくりと目を開ける。
「あちゃー、だいぶん深いな・・これ・・・・」
頭をポリポリ掻きながら、インターフォンも鳴らさずに門を開けて玄関へと歩き進める。
真子は躊躇うことなく玄関の扉を開けて中に入っていく。
「おっじゃまっしまーす」
小さい声で囁きながら靴を脱ぎ上がり込む。
迷う事なく階段へ向かい2階に上がっていき、軽々と真実の扉の前まで辿り着く。
真子はニヤリとして心の中で念じる。
(まことー、まこ様が来てやったぞー、鍵を開けろーぃ)
しばらくすると、
ガチャリ
扉の鍵が開く音がした。
(うむ、まこと、素直でよろしい)
そう思い、頷きながら扉を押し開いた。
部屋の中に入ると薄暗く、奥には椅子に腰掛けた真実がコチラを向いてやれやれといった顔で真子を見ていた。
真子は真実の変わり果てた姿を下から上へと確かめるように見てからニコリ、手を上げて元気いっぱいの声を出す。
「よーぅ、まことー、元気してたかーい?」
そんな陽気を受け流すかのように暗い顔をして机に肘をつき頬を手に乗せる
「これが元気にしてるようにみえるのか?」
「大変そうだね、でもまこちゃんが来たからにはもう安心だよ」
真子はそう言って真実に久しぶりのテヘペロポーズを披露する。
真実はため息をつく
「おまえ・・・・相変わらずだな・・・・」




