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しばらく寛いでいると、母が尋ねてきた。
「まこ・・・・あなた、向こうではテレビとかスマホでニュースとか観てなかったの?」
母の問いに、疑問を持ちながら答える。
「観る暇なんてないよー、ってかそもそもテレビなんてないし、スマホも電波届かないから電源切ってそのまんまだし」
「・・・・ん? スマホ?」
自身の言葉でスマホの存在を思い出す。
「スマホだ!どこに入れたっけ?」
そう言いながらキャリーバッグの中身を漁る
そんな真子を、母は少し悲しげな顔をして見る。
「あなた・・・・そしたら・・去年の事件も知らないのね?」
「えっ?・・事件?」
真子はキャリーバッグを漁る手を止めて母を見た。
母の暗転した顔を見て嫌な予感がした。
母は話しを始める。
ーー西岡高校でイジメがあった
ーーイジメを受けた女子生徒が学校の屋上から飛び降りた
ーー野元くんもイジメられていた
ーー女の子が飛び降りた時、屋上に居た
ーー野元くんは学校を辞めた
ーーもう1年も家に引きこもっている
母の話しを聞いて、先程見たモヤと、話の内容が頭の中で繋がった。
「そう・・・・私が居ない間に、そんな事があったんだ・・・・」
真子はスマホ探しを再開させて、見つけたスマホを充電しながら電源を入れる。
3年弱振りの電源オンだがバッテリーは少し残っていたようだ。
すぐに立ち上がる。
不在着信が無数に入ってくる
「あちゃー・・・・」
あまりの多さにゲンナリしながら、恐る恐るLIMOアプリを開く・・・・
「げっ!・・・・未読・・・・500件」
「まぁ、2年4ヶ月、開かなかったらそうなるわね」
母の冷静なツッコミに返す言葉もなく唸った
真子はこのスマホの電源を入れたと同時に止まっていた2年4ヶ月が遂に動き出したのだと、理解してしまった。




