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ジージー、ジリジリジリジリ♪
揚げ物を作っているような音があちこちから聞こえる中で
ガラガラとキャリーバッグを引きながら歩いていた。
シャリ、シャクシャク
「あーっ・・頭痛きたーっ」
途中のコンビニで買った氷菓子を食べながら自宅へと向かう。
何も変わっていない道のりをいつもと違ってキョロキョロと見渡し、懐かしさを感じながら歩いていく。
駅から自宅までは歩いて15分、地味に遠い。
親には今日帰ることは伝えていない。
真子なりのサプライズである。
歩きながらふと冷静に考える
(あれ?・・家に誰も居なかったら・・私はどうなるんだ?)
「干物になっちゃうかも・・わたし・・」
最悪を想定して青ざめるのは一瞬。
「まっ、いっかー」
暫くして、自宅に向けて歩いていた足がピタリと止まる。
野元家の前である。
「・・・・ん?」
真子は野元家の建物に何かモヤのようなものが見えていた。
(なんだろ? あれ・・・・)
気になって左手に持っていた氷菓子を口に咥えて、頭の横に指を近づけてパチンと鳴らそうとして、思い止まる。
(・・・・また、今度にしよっと・・)
咥えていた氷菓子を、再び左手に持って、自宅に向けて歩き出した。
ガラガラガラとキャリーバッグの車輪の音だけが聞こえてくる。
真子は先程のモヤが心の中で引っかかっていた。
色々と考察を頭に浮かべながら、自宅へと足を進めていった。




