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人生をやり直しますか? 〜YES or NO〜  作者: 相賜 奏合


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[1]

本作は「恋愛をやり直しますか? ~YES or NO~」の続編です。

よろしければブックマークや評価、リアクションで応援していただけると嬉しいです。

あの事件から、ちょうど1年後――。


暁月駅のホームに、ひとりの女性が降り立った。

キャリーバッグの車輪が、ガラガラと乾いた音を立ててホームに響く。


「・・・・暑っ」


思わず小さく呟き、額に浮かんだ汗を手の甲で拭う。

見慣れたはずの駅の空気は、どこかよそよそしく、それでいて懐かしかった。


『3番線に到着した電車は、折り返し運転となります――』

機械的なアナウンスが流れ、乗客たちは次々とホームを後にしていく。


「え、3番線?」


彼女は案内表示を見上げ、眉をひそめた。


「マジでーっ! 前と停まる場所変わってるしー・・・・」


改札口までは階段を登らなければならない、

キャリーバッグをちらりと見下ろし、軽くため息をつく。


「・・・・登らないといけないじゃん」


憂鬱な気分のまま、ガラガラと音を立てて歩き出す。

ホームの床に描かれた黄色い点字ブロック、少し色あせたベンチ、

昔は気にも留めなかった風景が、ひとつひとつ目に入ってくる。


階段の手前まで来た、その時だった。


「・・・・あれ?」


視線の先、見覚えのない銀色の扉。


「・・・・わあーー!」


一気に声が弾む。


「エレベーターできてるじゃーん!

暁月駅、最高かっ!」


さっきまでの憂鬱はどこへやら。

迷いなくエレベーターに乗り込み、上昇する感覚に身を任せる。


静かに上がっていく箱の中で、心拍だけが少し速くなる。

(帰ってきたんだなー)

そう実感しながら、新しいエレベーターの匂いをクンクンしていた。


エレベーターの扉が開く。


線路の上を通り、出口へ向かうため、もう一度エレベーターに乗る。


改札口を通り、駅を出て立ち止まる。


むわっとした夏の空気と、強い日差しが一気に全身を包み込む。


全身で太陽の光を浴びるように、大きく背伸びをした。


「ふーーっ! 着いたーー!!」


青空を仰ぎ、満足そうに笑う。


「2年4ヶ月振りの凱旋っ!」

「石本真子様のお帰りだよーー!!」


誰もいない駅前ロータリーで、

彼女はひとり、テヘペロポーズを決める。


もちろん、見る人はいない。

それでも――

ここから、また何かが始まる気がしていた。

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