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『妖転覇道(ようてんはどう)』  作者: パーカー
第二章 関東霊都編

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第二十一話 港を閉じる者

神奈川編後編。

横浜港に現れた吸血鬼勢力。

海外魔脈が日本の霊脈へ干渉を始めています。

今回のテーマは「侵入と遮断」。

そして、主人公の力がさらに一段階進化します。

それではどうぞ。

横浜港の夜空を、巨大な蝙蝠の影が覆う。

 コンテナの上に立つ吸血鬼。

 その背後に広がる黒い魔霧。

「ようこそ、霊王」

 男が優雅に一礼する。

「我らはただ“道”を求めているだけだ」

「道?」

 俺は睨み返す。

「この国の霊脈は、よく整っている」

 吸血鬼の瞳が赤く光る。

「均衡がある。秩序がある。だからこそ――侵食しやすい」

 ぞくりとする。

 整えた霊脈が、逆に狙われる。

 地獄の糸と同じ構図。

「主」

 九尾が静かに言う。

「港は結節点。外と内が重なる場所だ」

 吸血鬼が腕を広げる。

 黒霧が海面へ落ちる。

 東京湾の水がざわめく。

 魔脈と海流が接続する。

「やらせない」

 海坊主が前へ出る。

 水流を操り、湾を包む。

 だが魔霧が水を侵食する。

 雪女の氷も、霧に溶ける。

「物理でも霊でもない」

 ぬらりひょんが低く呟く。

「“契約”の力ですな」

 吸血鬼は微笑む。

「血の契約。国境を越える約定」

 海外魔脈は、信仰と血統で繋がる。

 土地に縛られない。

 だから侵入が速い。

「だったら」

 俺は目を閉じる。

 《霊脈統合》を展開。

 都市霊脈。

 地下霊線。

 海流。

 港湾信仰。

 異国文化の流入。

 全てを一枚の地図として捉える。

「閉じるんじゃない」

 九尾がわずかに笑う。

「そうだ」

 遮断ではない。

 切断でもない。

 再定義。

「ここは日本の港だ」

 俺は地面に手を当てる。

 霊脈を“編み直す”。

 海外魔脈を拒絶するのではなく、

 通行条件を設定する。

「無断侵入は禁止だ」

 港全体に光が走る。

 コンテナ、クレーン、桟橋。

 都市霊脈と自然霊脈が融合。

 即席の“港結界”が形成される。

 吸血鬼の表情が初めて変わる。

「……門を作るか」

「管理は嫌いだけどな」

 俺は拳を握る。

「穴は塞ぐ」

 ヒグマが咆哮。

 なまはげが鬼気で霧を吹き飛ばす。

 天狗が上空から風を叩きつける。

 雪女が霧を凍らせる。

 海坊主が湾を包む。

 仲間の力が港結界を補強する。

 吸血鬼の霧が揺らぐ。

「なるほど」

 男は苦笑する。

「君は壊さない。だが縛る」

「秩序は嫌いなんだろ?」

「嫌いだ」

 即答する。

「でも侵略はもっと嫌いだ」

 《霊脈統合・港域限定》

 紫と赤の魔霧が、結界の外へ弾かれる。

 巨大な蝙蝠の影が薄れる。

「覚えておこう」

 吸血鬼は静かに後退する。

「霊王」

 赤い瞳が闇へ溶ける。

「次は、もっと正式な訪問を」

 魔霧が消える。

 横浜港に静寂が戻る。

 潮風が吹く。

「……逃がしたな」

 なまはげが言う。

「追わぬ方がよい」

 九尾が答える。

「本体は海の向こうだ」

 俺は夜の海を見つめる。

 世界が近づいている。

 管理局。

 地獄。

 海外魔脈。

 全部が絡み始めた。

「関東、甘くないな」

 天狗が笑う。

「山より騒がしい」

 座敷童子が袖を引く。

「主、つぎは?」

 九尾が答える。

「千葉」

 湾の向こう、東。

「陸と海の境界がまた揺らいでいる」

 俺は深く息を吐く。

 港は閉じた。

 だが世界の扉は、確実に開きつつある。

第二十一話でした。

神奈川編完結。

今回は“撃破”ではなく、

・侵入阻止

・結界構築

・港域管理

という勝利。

主人公は

制圧型 → 調和型 → 構築型

へ進化しています。

次は千葉。

テーマは

・海神信仰

・境界の歪み

・地獄の糸の再出現

物語はさらに大きくなります。

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