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『妖転覇道(ようてんはどう)』  作者: パーカー
第一章 北の霊脈制圧編

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第二話 氷と怨念(北海道 後編)

北海道前編を読んでいただきありがとうございます。

雪女との契約を終えた悠真ですが、

主級妖怪は一体とは限りません。

広大な北海道には、土地に根付いた“別の怨念”が存在します。

今回はバトル多め、連携戦です。

仲間妖怪のコンボにも注目してください。

それでは、後編――決着です。

雪は止んだはずだった。

 だが、大地の奥から響く低い唸りが、空気を震わせる。

 ズン……ズン……と、地響き。

「主よ、来るぞ」

 ぬらりひょんの影が伸びる。

 視界の先、白い地平線がゆっくりと盛り上がった。

 雪を割って現れたのは、巨大な黒い影。

ヒグマの怨霊

 常識外れの巨体。

 片目は潰れ、もう片方は血のように赤い。

 毛皮は霧のように揺らぎ、体内に黒い炎が渦巻いている。

「……強い」

 隣で雪女が呟く。

「土地の怨念を喰らい続けた霊獣。主級に匹敵する」

 ヒグマが咆哮した。

 衝撃波だけで雪原が裂ける。

「散開!」

 俺が叫ぶ。

 ヒグマの前脚が振り下ろされる。

 直撃地点が爆発するように抉れた。

「ぬらりひょん、足止め!」

「御意」

 影が地面を滑り、ヒグマの脚へ絡みつく。

 だが――

 バキィッ!!

 影が力任せに引きちぎられた。

「力が段違いだ!」

 ヒグマが突進。

 地面が割れる。

「雪女、減速できるか!」

「やってみる」

 吹雪が巻き上がる。

 氷嵐が巨体を包む。

 脚が凍りつく。

 だが完全には止まらない。

「主よ、核は胸ではない」

 九尾の声が響く。

「背骨沿い、首の付け根だ!」

 ヒグマが跳躍。

 巨体が空を覆う。

 圧倒的な質量。

 普通なら、即死。

 でも――俺には仲間がいる。

「雪女! 一瞬だけ空中を凍らせろ!」

「……了解」

 ヒグマの着地予測地点、空間が瞬間凍結する。

 巨体が一瞬だけ空中で鈍る。

「ぬらりひょん、足場!」

「主の影、固定する!」

 影が空中に伸び、足場を形成。

 俺は跳ぶ。

 ヒグマの背へ。

 黒い霧が噴き出す。

 振り落とそうと暴れる。

「ぐっ……!」

 爪が肩を裂く。

 痛みが走る。

 だが掴む。

 毛皮の奥。

 脈打つ黒い光。

「これだ!」

 ヒグマの怨念が流れ込む。

 怒り、飢え、痛み。

 人間に撃たれ、山を追われ、孤独に死んだ記憶。

 一瞬、意識が揺らぐ。

 違う。

 消すんじゃない。

「お前も連れて行く!」

 力を込める。

 核を引き抜く。

 黒い咆哮が空を裂く。

 吹雪が再び舞い上がり――

 そして、静まった。

 巨体が崩れ落ちる。

 手の中に残ったのは、黒い勾玉。

 ヒグマの怨霊は膝をつき、低く唸る。

「……主、従う」

 勾玉が胸に吸い込まれる。

【ヒグマの怨霊:加入】

能力: ・怨念咆哮(広域衝撃) ・霊体突進(防御無視) ・大地震動(範囲制圧)

 雪原が静まり返る。

 北海道の空は、澄み渡っていた。

「これで北海道制圧だ」

 九尾が静かに言う。

 雪女が俺を見つめる。

「主よ。あなたはなぜ、消さない」

「強い方が楽だろ?」

 半分冗談、半分本音。

 でも心の奥では分かっている。

 俺は――

 孤独に消えたくない。

 九尾が笑う。

「あと六県だ。北の霊脈は繋がった」

 俺は深く息を吐く。

 空を見上げる。

 死んだはずの俺が、今は妖怪を従えている。

 北海道、攻略完了。

「次は?」

「青森。死者の山――恐山だ」

 俺は拳を握る。

「行こうぜ」

 旅は、まだ始まったばかりだ。

北海道編、完結です。

1県2話構成のため、

毎回「主級+土地要素」の形でまとめていきます。

北海道はスケール感重視で、

・雪女(主級)

・ヒグマの怨霊(土地怨念)

のダブル構成にしました。

次回から青森編。

恐山・死者信仰・海要素を絡めます。

北海道とは違う“静かな怖さ”になります。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

よければブックマーク・評価・感想、

とても励みになります。

それでは、青森で。

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