第十五話 霊都・東京
第二章スタートです。
舞台は関東――霊脈が最も密集する都市。
これまでの“自然霊脈”とは違い、
ここは人の欲望と信仰が渦巻く場所。
そしてついに、“人間側”が動きます。
それではどうぞ。
空気が違う。
福島から南下し、関東へ足を踏み入れた瞬間――
霊脈の密度が跳ね上がった。
「……重いな」
高層ビル群。
無数の人。
ネオンの光。
だが俺には、その上に重なる“もう一層”が見えていた。
街の上空を流れる光の川。
交差する無数の霊線。
「ここが、関東の中心」
九尾が低く告げる。
「霊都・東京」
雪女が静かに呟く。
「自然霊ではありませんね」
「人の念だ」
なまはげが腕を組む。
「欲望、恐怖、信仰、羨望」
天狗が高層の上空に舞い上がる。
「山とは質が違う」
ビルの谷間に、巨大な社が見える。
明治神宮
都会の真ん中に広がる森。
強力な霊的結界。
「都市霊脈の錨だ」
九尾が言う。
「だが、それだけではない」
その瞬間。
上空の霊線が一斉に震えた。
ビルの屋上に、黒い影。
人影。
「……人間?」
影がこちらを見下ろす。
次の瞬間。
霊符が舞った。
青白い結界が展開される。
仲間たちの気配が封じられる。
「主、干渉されている!」
ぬらりひょんの影が縮む。
「妖気を遮断する術式だ」
屋上の人影が跳躍し、地面へ着地する。
黒いコート。
手には符と短剣。
「やっと見つけた」
若い女だった。
鋭い目。
「北の霊脈を荒らした存在」
俺を真っ直ぐに見据える。
「あなた、妖怪を従えてるわね?」
九尾が低く笑う。
「陰陽の者か」
「……知っているなら話は早い」
女は名乗る。
「私は対霊管理局・関東支部」
「人間が管理してるのか?」
「当然でしょう」
霊符がさらに展開。
仲間の気配が押さえ込まれる。
「都市霊脈は不安定なの。地方の均衡と同じじゃない」
視線が冷たい。
「あなたの存在は、危険」
空気が張り詰める。
これは妖怪との戦いじゃない。
初めての“人間”との対峙。
「俺は暴れてない」
「自覚がないのが一番厄介」
女が印を結ぶ。
上空の霊線が束ねられる。
都市の霊脈が、俺を中心に収束し始める。
「主、ここは自然霊脈と違う」
九尾が告げる。
「人の信仰と制度が支配する地だ」
女が踏み込む。
短剣に霊光。
速い。
天狗級の速度。
受け止める。
だが――
霊脈統合が、うまく回らない。
都市の霊線が干渉してくる。
「ここでは、あなたの“調和”は通じない」
刃が迫る。
仲間が動けない。
俺単体で、受けるしかない。
九尾が低く囁く。
「第二章は、妖怪制圧ではない」
「……何だ」
「支配構造との戦いだ」
刃がぶつかる。
火花が散る。
東京の夜景が光る。
都市霊脈が唸る。
第二章――
新たな局面へ。
第二章スタートです。
ここからは
・都市霊脈
・陰陽師組織
・人間側の介入
が加わります。
敵は妖怪だけではありません。
そして舞台は
東京 → 神奈川 → 千葉 → 埼玉 → 茨城 → 栃木 → 群馬
関東七都県。
第二章のテーマは
「支配と管理」
です。
読んでくださりありがとうございます。




