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魔王の呪いで女の子になりました、元の世界に帰ったのでお姉ちゃんと付き合います!

作者: ヤスヤナ
掲載日:2025/12/10

異世界では凛々しかった勇者、魔王の呪いで美少女になる。

「お姉ちゃんと一緒にお風呂入れる!」

案外楽しんでいるようで。

「これが、呪い」

鏡を見て、その人は呟きます。


『くっ。なぜ、この魔王が』

『観念しろ、魔王!』

『ならば、道連れだ!』

『なにっ!?』

『元の世界には、帰れるだろう。だが、ただでは帰さんぞ!』


「オレ、女の子になっちゃった」

勇者で、少年だった。

元の世界に帰ることはできた、魔王を倒したから。もっとも、殺せはしなかったが。

時間も、わずかしか経っていない。1日行方不明になった、それだけ。

「畜生…」

少年から、少女へ。しかも、可愛らしい。


「お姉ちゃんと一緒にお風呂に入ったりできるじゃねえか!」

異世界では勇者だった。格好よく、魔法使いなどを引き連れた、たくましい。

だが、実は2歳上、今は高3で生徒会長の実姉が大好きなシスコンである。




「なぜだ…」

学校、廊下。

歩きながら、高3の生徒会長は口にする。

「お姉ちゃん! 今日は一緒にお風呂入ろう! ワタシと付き合おう!」

「確か、コイツは弟だったはず」

「付き合おうよ、お姉ちゃん」

「もう少し、節操があったはず。

何なんだ、本当」

実姉はため息を吐く。


昨夜、行方不明だった弟が見つかった。

なぜか、弟の部屋にいた。

そして、どうしてか、弟が妹になっていた。

知らない人なんじゃ? という普通の疑問と、コレは私の弟だという謎の確信が混ざって。

変な感じ。

からの、第一声。

『お風呂入ろう、一緒に!』

ふざけるな、そう実姉は返したが。それでも諦めてくれず。


「あれか? 叩いたら直るのか?」

傾げる。

「ねー、お姉ちゃん」

「うぜえ。

私は自分の教室に行くから。お前も自分の教室に行け」

「はーい」

「あと、せめて学校では近付くな」

「ワタシの魅力に」

「マジうぜえ」




「学校ねえ。

勉強全部忘れたんだよな、1学期でよかった」

元勇者は安堵する。

身体能力は、わからない。勇者のままかもしれない、体が変わったし、それは未知数。

だが、学力は、からっきし。異世界の旅で全部なくなった。

「頑張らないとな」

そう言って、席に着こうとする。


が、

「オレの席、どれだっけ」

それも忘れてしまった。


仕方ないので、

「すみません」

席に着いている少年に聞く。

「うむ?

げっ」

げっ、て何だよ、と思いつつも、自分の名前を言って、

「席、どこ?」

「知らぬ。いや、知らない」

「知らない?」

「我、いや、俺にもわからない。まだこのせ、いや、この学校に慣れていなくてな。すまん」

「いいよいいよ。ありがとう」

笑顔で少女は少年にお礼をする。


少女は自分の席がわかり、着く。

その隣で、


「なぜ、なぜ我と勇者が同じ学校に。

しかも、隣だと!?

ぬぬぬ、我は慌てて困る勇者を遠くから嘲笑ってやりたかったのだが。近くにいて好都合? だが、近すぎぬか?」

「どしたの? ぶつぶつ言って。お腹痛いの?」

「い、いや、何でもない」

「そっか」


「しかも、無駄に可愛い…!

性格も違いすぎる…! 我の世界では凛々しかったはず。こんな、こんな奴では。

恋する前に呪いを解くか? だが、それでは、我だけの損ではないか。既に慣れていやがるし」


おかしな関係は、はじまったばかり。

ありがとうございました。

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