エピローグ
「愛って、なんだろうね、その人を想うだけで胸がいっぱいになって、切なくなって、幸せな気持ちになれる、こんな幸せは他の人からはきっと得られない、だからここにあるものはきっと、愛だよね」
少女は窓の外に向かって星に手を伸ばした。
自分で見出して、自分で育てた愛の成就。
それは、一般的な愛とは違うのかもしれない。
王子様とお姫様が一目で恋をして、試練を乗り越えて結ばれるようなメルヘンでロマンスな恋とは違うのかもしれない。
「これからも、いっぱい愛してあげる、一番綺麗な愛で、一番純粋な愛で、誰にも真似出来ない愛で、そうすればきっと、それは世界で一番美しい愛の物語になるから」
でも、彼は、この世界で幸せを与えてくれるたった一人の人間だ。
だから彼の望む全てを与えたいと思った、彼の望むの全てになりたいと思った。
この世界を照らすたった一つのお星様。
その光を一身に浴びる女とは、たとえ世間から日の目を浴びる事が無くなったとしても。
この世に存在しない影法師の存在だとしても。
その寵愛を受ける、ただ一人のヒロインなのだろう。
だからいつか、その星が自分の手のひらに落ちてくる日まで。
男の望む影を、女は演じ続けるのである。
これは、愛より出でて、愛より青く、愛より愛しい。
ロマンスともコメディとも、メルヘンともノンフィクションとも違う。
こっけいなふたりの恋を紡ぐ。
フィクションの、愛のお話である。




