誰か知らない
私は商売柄、礼儀としてすることがあります
例えば京都の祇園にあるライヴハウスの待ち時間に界隈を散策することもあるのですが、よしもと祇園花月が近くにあるので、吉本新喜劇の劇団員さんをお見かけることもありますし、芸人さんもお見かけすることもあります
駆け出しの方からBIG NAMEの方々までいろいろです
余談ですが、私はあの天満天神繁盛亭という大阪の落語の中心地の高座に落語家さんと2回共演したことがある珍しいギター弾きなのです
私は芸人さんでも落語家さんでもありませんので珍しいでしょ?(笑)
さて、新喜劇の座長さんクラスになると普段見かける姿にはオーラがある人と普通の人に分かれます
多分、オーラを消して一般人として動いておられるのでしょうけど
ある座長さんがその祇園の花見小路にあるコンビニから出て来られたのを見て「普通のおっちゃんやなぁ・・・」と思ったことがあります
私はこの人の芝居はとても好きなのです
多分私と同じ年かな?
でも、あちらもオーラを消しておられるのですから、こちらも気付かぬふりをします
ま、業界の端くれに住んでいますので礼儀ですね
また、祇園花月の一階にある喫茶店ではオーラバンバン放出して、颯爽とされている座長さんもお見かけしたことがあります
新喜劇とは言え役者さんですからね、やはり華がありますよね
この方には軽く会釈をすると軽く会釈してくださいます
これは私は役者の〇〇ですよ!と主張しておられるのですから向こうが知らなくても会釈はさせていただきます
あちらも主張されているのですからちゃんとした対応はされるんですよね
ただ、ずっとそういう状況で気疲れしないのやろか?なんて私は思いますけどね
ここで面白いのが、どなたかは解らないのですが、年配でいかにも業界の人間ですオーラを放たれている方をお見かけした時です
私は●●です!と主張されておられるのですから、私は礼儀として会釈させていただきます
まあ、将来どこかで一緒にお仕事させていただくことになるかもしれませんからね
すると、あちらもやはり私が誰か解らないけど、ニコッとされて会釈してくださるのです
そして、その後表情が変わって怪訝な顔になり・・・
「あれ?誰やったけなぁ?」と思っておられるのが伝わってくるのです
そしてその顔のままお互い通り過ぎるのです
誰か解らない相手でもこういう時人気商売の方は礼儀を欠かすことができません
「あれ?だれやったっけなぁ?」と思いながら暫し過ごされるのかもしれないなぁ
と思うと面白くてね
でも、相手から会釈されるのですから悪い気はしていないはずです
そして声掛けは絶対にしないことです
そうすることで相手は私も業界のことを多少解っているんやなぁと思ってくれるからです
実際礼儀は本当にそうなのですけどね(笑)
すると「あれ?誰やったっけなぁ?」の余韻がさらに続くのです
私は◎◎です!と主張してその辺を普通に歩いておられるいかにも業界の方に見える人には丁寧に軽く会釈をさせていただくだけでお互い気持ちよく過ごせるのです
ま、普段は滅多におられませんけど・・・