未帰還者(みきかんしゃ)
・タイトルを変えました。(旧タイトルは、『スペースデブリ』です)
・内容は、旧タイトルの時と、あまり変わりません。
西暦二〇二三年。
宇宙船が大気圏を突破して、地球から外界へ飛び出していくのは、もはや一世紀ほどまえより大事ではなくなっていた。
仮に失敗があったとして、ロケットが煙を上げたのが、発射地点にもどってくるくらいなものだろう。
テレビで見られるかぎりでは。
宇宙は広い。
そんな、茫漠たる空間にちらばる宇宙塵を、スペースデブリと呼ぶ。そうした、機械の残骸や星のかけら以外にも、漂流するものはある。
宇宙飛行士。
星の海へ飛び出した彼らのなかには、船内で――または、船外でなんらかのトラブルがあり、無限の空間にほうり出された者もいる。
帰り道を失った彼らは、今日も科学の粋をあつめた宇宙服のなかから、生命の光の無くなったその眼で、永遠にたどりつけない故郷の星を、見つめつづける。
※このものがたりはフィクションです。
読んでくれたかた。感想を書いてくださったかた。ありがとうございました。