その7
扉の先の世界は別世界だった。
ここはどこなのか?
太陽の日差しが圧倒的に多い光の世界ではあるが
どこか日本の一風景のようにも見える。
前方には町が見えた
「ナルカミ。あの町に行ってみよう」
「俺たちは地下1000階にいたんじゃないのか?ここは明らかに地上だぞ」
「そんな事知るかよ。俺が地下ダンジョン作った訳じゃあないんだから」
「なんとなくだが、この世界は日本よりも格が高いような気がしないか?直彦。」
「俺もそれは思う。地下1000階から一気に地上の別世界に来たのも変だ。町の人に聞いてみよう」
俺たちは町に入ると人がそれなりにまばらにいた。
「あの〜すいません。この町はどこですか?」
「町の名前を知りたいのか?」
「そうです。」
「町に名前なんて無いよ」
「名前がない?そんな訳ないでしょう」
「無いよ。ひょっとして君らは現世の人間じゃあないのか?頭の上に光輪がないが」
「光輪?そういえばあなたの頭の上には不思議な輪っかが浮いてますね。もしかして死人ですか?」
「死人。言い方が古いな。ここはあの世の神界だよ。神界に現世の人間が来るとは珍しい」
「あの世の神界?ここは日本じゃないんですか?」
「なんだ、君たちは日本から来たのか。光輪が無い事からも君達があの世の人間でない事はわかる。あの世の構造を知らないのか?」
「あの世に構造なんてあるんですか?」
「あるよ。死んだ人間は漏れなく地獄、中有霊界、天国、神界のどこかに行きつく事になってる。今君達のいるここは神界で生前人間として優秀な生涯を送った者だけが来れる世界なんだよ。」
「神界って事はあなたは神と人間のどちらなんです?」
「私?私は人間だよ。まあ、神様も人間も見た目はほぼ同じの場合が多いからなかなか見分けられないかもね。」
「おい、ナルカミ。ここが神界であるならラッキーだぞ。俺は神の腕輪を地下ダンジョンで手に入れてるからな。神を支配して収納出来る」
「神を支配?君は何を言ってるのかね。神を支配する人間なんて1人もいないよ」
「あーいいんです。今のはこっちの話なんで。神界で生活するにも当然金が必要なんですよね?」
「そりゃあそうだろう。働いてお金を稼いで生活していく。現世の構造と同じだよ。ただ日本の通貨とは違うがね。」
「俺とナルカミは金持ってないんです。住み込みで働ける仕事はないですかね?」
「住み込みの仕事?ああ、それならあそこの焼肉屋で働けばいいんじゃないか?住み込みバイトを募集してるぞ」
「なるほど。俺たちしばらくは神界にいるんで急遽金が必要なんで。じゃあまた」
俺とナルカミは焼肉屋を見渡す
「直彦。キャッチの人間に石板売るんじゃなかったのか?」
「ああ、売るさ。だがな、ナルカミ、ここは神界なんだぞ。俺は神を支配する方法を知ってる。せっかくだから神をたくさん支配しようじゃないか。神の腕輪には支配した神を収納出来るからな。たくさんの神を支配した腕輪を売れば生涯金には困らないぞ」
「神を支配するって言ったってそう簡単に名前を教えてくれるかね。」
「力づくで聞き出すまでだ。俺は強いからな。」




