その6
俺たちは1000階層に到着する
そこには999階層の赤龍に劣らないデカさの黒龍がいた
「上の階の赤龍を倒したようだな。ただ者じゃないだろ、お前」
「上の階でSランクとかいう天叢雲剣を手に入れた」
「そうだ。その剣は地上を破壊しかねない程の宝剣。赤龍を倒した者にしか手にする事は出来ない。」
「あの赤龍はなかなか強かったな。」
「宝剣は既に手に入れたのだろう。この1000階層に何をしに来た?」
「お前の後ろに宝箱があるな。それを手に入れに来た」
「なるほどな。宝剣以外にも1000階層の宝まで手に入れたいのか?」
「そりゃあそうだろう。宝箱を目の前にして引き下がる奴がどこにいる?」
「分かってると思うが1000階層の宝箱を手に入れるには俺を倒す必要があるぞ。覚悟はあるのか?」
「あるさ。俺は強いからな。」
「俺、黒龍の強さは人外のものだ。俺の闇魔術を相手にするつもりか。」
「龍のくせに魔術を使うんだな。そういえば赤龍も使ってたな。炎魔術だったっけか」
「俺の闇魔術は強烈なものだ。たとえ天叢雲剣を持っている者であってもな。」
「言っておくが俺は剣士じゃないぜ?」
「なんだと?」
俺はすかさず魔力の圧を黒龍にぶつけ放つ
1000階層が歪み始める
「くっ……すさまじい魔力だ……」
「俺は剣士じゃないってのは嘘だよ。さっき一流の剣士になったんだ」
天叢雲剣 奉天乱舞
すさまじい剣圧が黒龍に刻みつけられる
勝者 佐藤直彦
黒龍は意識を失って床に叩きつけられる
俺は宝箱を開けた
「直彦。今度は剣じゃないな。」
「ああ、魔法杖なのか?」
石板に文字が刻まれている
【紅魔の杖 Sランク】
「直彦。今度もSランクだぞ」
「ああ、世の中にはSランクしかないのかね」
「ここは1000階層なんだからレアで当たり前じゃないのか」
俺は紅魔の杖を握る
その時に生体の息吹を感じた
この紅魔の杖、生きている……
すると紅魔の杖の情報が俺の身体に一括でダウンロードされた
1000種類に及ぶ黒魔術が俺の脳にインプットされた
世の中に魔術の種類はいくつかあれど
黒魔術は紅魔の杖のみの特殊魔術である事も理解した
紅魔の杖を手にした事で俺の異常な魔力が水を得た魚のように活かされる事も分かった。
俺は魔力というガソリンで黒魔術のみ操れる
「直彦、その杖もキャッチの人間に売るんだろ?」
その時に前方に光の扉が現れた
その扉の光を見て俺は直感した
「あの扉の先はこの世ならざる世界だ」
「この世じゃない?じゃあどこなんだよ?」
「分からない。行ってみない事には……」
「地上には戻らないのか?」
「扉の先にまだ宝物があるかもしれない。この光の扉の先に行った方が良い気がする」
俺は光の扉に引き寄せられるように歩いていく
「待てって直彦。俺も行くから」
俺たちは光の扉を開けて別世界に誘われる




