その53
突然のリーダー交代という事で
佐藤直彦のパーティーに動揺が走る
なんだなんだ
俺がリーダーで不満って訳かい
パーティーの重暗さを象徴するかのように雨が降る
雨だなぁなんて思っていたが
徐々に氷に変わりゆく
「空から次々と氷が降ってくるぞ。あぶねぇ!」
「リーダーの佐藤さん。どうしましょう?」
「どこかに避難するんだ。これだと氷魔術を受けているようなもんだ。」
俺達は岩陰に避難した。
幸いにそれなりの空間があった為
凍てつく氷の雨からは回避されるが
九頭龍の身体がデカすぎて些か窮屈だ。
「九頭龍。お前、岩陰から出ろ。」
「何を言ってるですか、佐藤さん。外は災厄ですよ。俺が酷い目に合います。」
「この狭い空間で九頭龍といる方が災厄だ。そう思わないか?」
「思いません。俺は動きませんよ。」
「今からリーダーの絶対権限というものを作る事にする。権限その1 リーダーの言うことは絶対。」
「それって国の独裁者と変わりませんよ。」
「あいにく俺は国を持ってない。」
「例えの話ですよ。」
どうやら九頭龍は動くつもりもないらしい。
俺の言うことが聞けないのだろうか。
「九頭龍。お前の水魔術でどうにかすればいいじゃないか。」
「どうにかってどうやるんです?」
「それはお前が考えるんだ。じゃないとこの佐藤様が閉所恐怖症なのに精神的ダメージを受け続けるだろうが。」
「言ってる事が無茶苦茶過ぎます。」
九頭龍は岩陰から強制的に出された。
空からは次々と氷が降ってくるが九頭龍には当たらない
よく見ると自らに当たる寸前に
水魔術で氷を水に変えている。
「なんだ、九頭龍。やれば出来るじゃないか。」
「こんなの3分程度しか持ちませんよ。3分したら岩陰に戻りますからね。」
その時、空から大きな氷と共に誰かが降りてきた。
「誰だ、お前?」
「神が自らの名前を人間に言うと思うか?」
「何故俺が人間だと分かる?」
「何処からどう見ても佐藤直彦だろうが。」
俺を標的に狙いに来たのか。
「ひょっとしてこの氷の雨はお前がやっているのか?」
「当たり前だ。そこの龍には効いていないようだがな。」
「なるほど。九頭龍、お前は岩陰に隠れていいから俺を氷の雨から守れ。」
「いいですけど、2分しか持ちませんよ。」
「2分でいい」
時間制限つきでの神との戦闘になる
次々と氷の雨が降り注ぐが俺には水しか当たらない
氷魔術師か
俺は右手に黒魔術を集めて空から神の顔を光速でぶん殴る
神が地響きと共に地面にめりこむ
「勝負あったな。30秒ってとこか。」
俺は神モンチュを吸収する。
「今回は九頭龍に助けられたな。」
「佐藤さんも少しは思いやりを学んだんですかね。」




