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名前の強奪と支配  作者: 豊田直輝
53/55

その53

突然のリーダー交代という事で

佐藤直彦のパーティーに動揺が走る

なんだなんだ

俺がリーダーで不満って訳かい

パーティーの重暗さを象徴するかのように雨が降る

雨だなぁなんて思っていたが

徐々に氷に変わりゆく

「空から次々と氷が降ってくるぞ。あぶねぇ!」

「リーダーの佐藤さん。どうしましょう?」

「どこかに避難するんだ。これだと氷魔術を受けているようなもんだ。」

俺達は岩陰に避難した。

幸いにそれなりの空間があった為

凍てつく氷の雨からは回避されるが

九頭龍の身体がデカすぎて些か窮屈だ。

「九頭龍。お前、岩陰から出ろ。」

「何を言ってるですか、佐藤さん。外は災厄ですよ。俺が酷い目に合います。」

「この狭い空間で九頭龍といる方が災厄だ。そう思わないか?」

「思いません。俺は動きませんよ。」

「今からリーダーの絶対権限というものを作る事にする。権限その1 リーダーの言うことは絶対。」

「それって国の独裁者と変わりませんよ。」

「あいにく俺は国を持ってない。」

「例えの話ですよ。」

どうやら九頭龍は動くつもりもないらしい。

俺の言うことが聞けないのだろうか。

「九頭龍。お前の水魔術でどうにかすればいいじゃないか。」

「どうにかってどうやるんです?」

「それはお前が考えるんだ。じゃないとこの佐藤様が閉所恐怖症なのに精神的ダメージを受け続けるだろうが。」

「言ってる事が無茶苦茶過ぎます。」

九頭龍は岩陰から強制的に出された。

空からは次々と氷が降ってくるが九頭龍には当たらない

よく見ると自らに当たる寸前に

水魔術で氷を水に変えている。

「なんだ、九頭龍。やれば出来るじゃないか。」

「こんなの3分程度しか持ちませんよ。3分したら岩陰に戻りますからね。」

その時、空から大きな氷と共に誰かが降りてきた。

「誰だ、お前?」

「神が自らの名前を人間に言うと思うか?」

「何故俺が人間だと分かる?」

「何処からどう見ても佐藤直彦だろうが。」

俺を標的に狙いに来たのか。

「ひょっとしてこの氷の雨はお前がやっているのか?」

「当たり前だ。そこの龍には効いていないようだがな。」

「なるほど。九頭龍、お前は岩陰に隠れていいから俺を氷の雨から守れ。」

「いいですけど、2分しか持ちませんよ。」

「2分でいい」

時間制限つきでの神との戦闘になる

次々と氷の雨が降り注ぐが俺には水しか当たらない

氷魔術師か

俺は右手に黒魔術を集めて空から神の顔を光速でぶん殴る

神が地響きと共に地面にめりこむ

「勝負あったな。30秒ってとこか。」

俺は神モンチュを吸収する。

「今回は九頭龍に助けられたな。」

「佐藤さんも少しは思いやりを学んだんですかね。」

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