その51
雨が降り出してきた
街から離れているだけに雨宿りする場所もない
しょうがないからそのまま歩く
それに水もしたたる良い男というではないか
服に水分が染み渡ってきて気持ち悪い
風邪でもひこうものならコロナと間違えられるかもしれない
「九頭龍。お前の水魔術でなんとかならないのか?」
「なんとかって雨ですか?」
「そうだよ。」
「もっと降らす事なら簡単ですけどね。」
「それじゃあ意味ないだろうが。」
「水魔術は扱いが難しいんです。」
「お前勉強不足なんだよ。もっと勉強しろ!」
九頭龍はうなだれた
このままだと本当に風邪をひくかもしれない
もし風邪をひいたら明らかに九頭龍のせいだな
すると傘をさしている集団が現れた。
ナルカミがそこに直進していく
「おいお前ら。良い傘持ってるな!」
「ありがとうございます。傘を褒められたのは初めてです。」
「なら話は分かりやすいな。お前らの傘4人分寄越せ」
「え?」
「え?じゃねぇよ。傘を寄越せって言ってるんだ。」
「何故です?あなた達は悪人ですか?」
「悪人じゃねぇよ。いいから傘寄越せって言ってんだろ」
そのうちの1人が後ろを向いて相談する
「どうしましょう。神様。よからぬ人達と遭遇しました。」
「分かった。私が取り合おう。君たちは悪人という事で間違いないかな?」
「だから悪人じゃねぇって言ってんだろうが。」
「なるほど。話は通じないようだ。まあいい。力で解決しようか?」
オヤジの手に魔力が集まる
こいつは神か
「よしこの神を倒すぞ。そうしないと雨に濡れるからな。」
俺も右手に黒魔術を練っていく
神と俺の魔力で地響きが巻き起こる
「相変わらず佐藤さんの魔力はデタラメだなぁ。」
激しい振動の中2人の魔術がぶつかり合う
一時魔力は拮抗しているように見えたが
均衡が崩れゆく
黒の魔術が形成を大きく変えゆく
魔術の力は一方的に弾けて神がぶっ飛ぶ
勝負ありだ
俺は神マヘスを吸収する
「よしお前ら傘を手に入れるぞ!」
佐藤直彦
ナルカミ
天神
九頭龍の4人は見事に傘を手に入れた。
これで雨も怖くない




