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名前の強奪と支配  作者: 豊田直輝
49/55

その49

夜の暗い街灯で微かに明かりを得ている状態

夜の世界は好きではないが

物静かなる辺りの空弱はどこか心を沈ませてくれる

乱痴気騒ぎのお祭りの後に

1人ぽつんと静かな闇と一体になる時

動いていた心はいつの間にか静かになる

いわゆる静中の静

静かな場所で心を沈める

ふと天神を見ると何やら書物を読んでいる

俺はあまり俺以外の事に関心はないのだが

天神の行動を分析してみると

本を読んでいる事が多い

改めて思うが何を読んでいるのか

「天神は読書が好きなのか?」

「いえ、好きとかそういうレベルではありません。」

「じゃあ好きじゃないのか?」

「好きとか嫌いとかの分別を乗り越えているのです。学問は人生の本質だと心得ています。」

「学問ってそんなに面白いんだっけ」

どうやら小説とかを読んでいるのではなさそうだ

学問というくらいだから

小難しい書物でも読んでいるのだろう

「最近視力が落ちましてね。」

「本ばかり読んでいるからだろう。」

「学問の為なら視力など落ちてもいいのです。」

「視力が落ちてもいい?俺は御免被りたいね。視力が落ちれば人生がつまらなくなる。」

「佐藤さん。朝になったら眼鏡屋行ってもいいですか?度が合わなくなってきまして。」

「まあ別にいいけど。」

やがて朝になり俺達は街の眼鏡屋に辿り着く

「なんだよ。店閉まってるじゃん。」

「佐藤さん。朝の8時から開店している眼鏡屋なんてありませんよ。」

「俺は待つのが嫌いなんだよ。店に入るぞ」

「店に入る?どうやってでしょうか?」

俺は天叢雲剣で眼鏡屋を一刀両断した。

「どわぁぁ!佐藤さん、何やってるんですか!」

「これで店は開店だな。」

俺は眼鏡を物色する

「天神。これなんかいいんじゃないか?」

その時店の裏から誰かが息を荒立ててやって来る

「おい泥棒!俺の店に入ってくるとはいい度胸をだな!」

「泥棒?どこに泥棒がいるんだ?」

「佐藤さん。私達の事を言ってるんですよ」

「なんだと?この善良な市民を捕まえて泥棒とは良く言えたもんだな、オヤジ!」

「どこからどう見ても泥棒だろうが!待ってろ成敗してやる」

眼鏡屋の主人は大刀を引き抜いた

「神にしか扱えない輪廻大刀でお前ら全員真っ二つにしてやるからな!」

「物騒な事を言いやがって。ただ眼鏡を見ていただけなのにイチャモンつけてきやがる。俺がお前をねじ伏せてやるよ。」

縦に割れている眼鏡屋で

眼鏡屋の神と佐藤直彦の激しい戦闘が巻き起こる

その戦闘に興味がないのかナルカミはずっとゲームしている

ナルカミにとっては泥棒云々よりもゲームの方が重要らしい

ナルカミはゲームで一段落すると

神と佐藤直彦の戦闘は終わっていた。

神であるケベフセヌエフは佐藤直彦に吸収される。

天神は新たな眼鏡を手に入れた。

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