その47
警察がこれ以上追ってこないのを確認し
俺たちはひっそりと破損バスを降りた。
俺の強さを知ったからなのか
バスの乗客は必要以上に俺に関わるのをやめていた。
乗客とも離れて俺たちは市街に行く
天神と九頭龍は快眠だったようで
エネルギーの充電満タンといったところか
先日から薄々気づいていた事ではあるが
俺の魔力霊力探知が弱まっている
日本にいた頃はもっと敏感だったんだが
神界に来ると弱まってしまうのだろうか
まあ無くなっていくものを気にしてもしょうがない
何気なく道を歩いていると
天神が何か気付いたようだ
「佐藤さん。あの手配書は佐藤さんですよね?」
「俺の手配書?」
俺たちは掲示板に寄っていく
「本当だ。これは俺だな。なんでお尋ね者なんだ?」
「だいたい察しはつきますけどね。これだけ神界で暴れていれば神も動くでしょう。」
「なるほど。神が俺を指名手配人としてる訳か。」
「なんで俺の手配書はねぇんだ」
「ナルカミさんのですか?」
「そういってんだろうが!天神」
「ナルカミさん。すぐに怒るのやめてくださいよ。癇癪持ちと言われますよ。」
「俺ほど穏やかで寛大な精霊はいねぇだろうが!」
「ナルカミさん。その状態を癇癪持ちというんです。」
「ちょっとお前ら黙ってろ。俺の連行報奨金1億ゼニと書いてあるぞ」
「いよいよ佐藤さんは重罪人になりましたね。」
「これってどう言う意味だ?」
「どういう意味とは?」
「そのままだよ。どういう意味なんだよ?」
「誰かが佐藤さんを捕まえたら1億ゼニ貰えるという意味です。」
「どうやったら俺は1億ゼニ貰える?」
「佐藤さんは貰えませんよ。指名手配の本人ですから。」
「そうなのか?じゃあこの手配書意味ないな。」
「直彦。アホかお前。どれだけ知能が低いんだよ。俺がお前を連行して1億ゼニ稼いでやる」
「いえ、ナルカミさん。それも無理かと」
「なんで無理なんだよ?」
「ナルカミさんは佐藤さんの分身ですからね。共犯ですよ。」
「そんな事はねぇよ。俺の手配書はないだろ」
「どうやら佐藤さんとナルカミさんの知性の低さが露呈されてしまいましたね。」
「九頭龍!お前、誰に向かってそんな口聞いてるんだよ。」
ナルカミの苛立ちは高まる
そのやりとりを見ていた通行人が青ざめる
「こいつ指名手配人だ!」
俺は耳がいいからすぐに反応してそっちの方角を見る
「おいおい、言いがかりはよしてもらおうか。」
この通行人は喚き出し人が次々に集まってくる
「なんだなんだ?」
「こいつ指名手配人なんだよ。誰か神はいないのか?」
「おい、お前。まるでこの佐藤様が悪い奴みたいな言い方してるよな。」
「悪いも何も極悪人だろうが!」
そのやりとりの中で割り込んでくる奴がいた
「まあまあ私が解決してやる。つまりお前が指名手配人ということで間違いないんだな?」
「そんな事を教える義理はねぇ。」
「教えるも何も写真と顔が同じだろうが!私は神なんだからそこらのめくらとは違うぞ。」
「あ そう。俺を連行するのかい。」
「当たり前だ。金が目当てじゃない。もちろん金も貰うがな。」
「金目当てじゃねぇか。」
神は剣を取り出す。
「剣で勝負しろ。私が極悪人を成敗してこの場を解決してやる。」
「ただ金が欲しいだけだろ。俺が欲しいのによ。」
俺が背中の剣を手にしようとしたら
いきなり切りかかってきた
こいつ俺に天叢雲剣を抜かせないつもりか
結構速い
神の神速三段突き
俺は全て避ける
俺は神の後ろにまわり黒魔術をぶち当てる
「痛ってぇ!」
俺と神は揉み合いになり俺は馬乗りになる
俺は霊力を込めたこぶしで数発殴ると
神は観念して諦めた
「なるほど。たしかに強い。……俺の負けだ。」
「ただの勝負じゃない。俺は神狩りをしてるからな。名前教えろ。」
「……指名手配になるわけだ。……イムセティ」
神の腕輪が光りイムセティは収納された。
俺たちの周りの見物人は予想外の展開に唖然としていた。




